桃田賢斗が世界選手権で初優勝!不詳事件からどう復帰したか?
5日、南京(中国)で行われていたバトミントン:世界選手権で桃田賢斗(日本)が男子シングルス決勝で世界ランク3位の石宇奇(中国)を下し、この種目で日本男子初の金メダルを獲得した。今日は、この試合にスポットを当てってみた。
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桃田賢斗が完全復活!不詳事件からどう復帰したか?
あの不祥事件:闇カジノ事件から、丸2年!
桃田賢斗が人間的にも大きく成長して完全復活を果たした。
16年4月 スーパーシリーズ(現ワールドツアー)マレーシア・オープンに出場中に「田児賢一選手」と「桃田」が錦糸町の闇カジノに通っていたとの違法賭博問題が発覚し、桃田は日本協会から無期限の試合出場停止処分を受けた。
リオデジャネイロ五輪出場が確実視され、金メダル獲得の期待も高かったトップアスリートが闇カジノに通っていたという事件は、読売ジャイアンツ所属選手の野球賭博事件に引き続いて発覚したのだが、当然ながら社会に大きな波紋を広げた。
当時の記者会見では、やや納得のいかない表情の桃田にあまり反省の色は感じられなかった。結局、桃田に五輪出場は許されなかった。
同年5月 所属するNTT東日本の出勤停止処分が解け、練習を再開。
しかし、試合は約1年間の出場禁止処分!
日本協会からの処分は17年5月に解除された。
桃田は、その間地道に努力を重ね、毎日走り、ウエートトレーニングにも励んで来た。
試合に出られない謹慎期間中はチームメートの練習相手になったり、シャトル拾いをこなした。今まで無縁だったサポート役を経験し、バドミントンをプレーできるありがたさ、喜びを再び学んだようだった。
積極的に「バドミントン教室」などにも参加した。
競技を心から楽しむ子供たちを見て、原点の気持ちも取り戻した。
人として一回り成長し、謙虚になった。
バトミントンの世界選手権開催地は中国:南京
そして、臨んだ完全にアウエーでの試合。
相手は格下とはいえ、中国の若手のホープ「石宇奇(シー・ユーチー)」
ランキングは世界3位!
桃田が不在の間に台頭してきたエースである。
地元の石宇奇が強烈なスッマシュを打つたびに会場から地響きの様な歓声が沸く。
しかし、桃田は石宇奇の強烈なスマッシュを冷静にテンポ良く、ほとんど止めた。
第1ゲームは21-11と先取。第2ゲームも勢いのまま21-13と連取して、悲願の優勝を決めた。五輪、世界選手権を通じて、日本男子のシングルス世界一は初の快挙:金メダル獲得となった。
決勝のコートでは笑顔が多かった。重圧、プレッシャーより、また最高の舞台でバドミントンができる喜びにつつまれているように見えた。優勝を決めた瞬間は自らユニホームの日本の旗にキスをした。
今年から日本代表にも復帰した。ネット前のヘアピンショットに代表される持ち前の高い技術に、フィジカル(身体的)の強さが加わり、昨年7月の282位から再スタートした世界ランクを6位にまで上げ、銅メダルを獲得した15年以来3年ぶりに世界選手権に戻ってきた。
組み合わせに恵まれたこともあるが、ここまで4戦を3戦目を除けば、ほぼ危なげなく勝ち上がって来た。動きのキレはこの日も変わらず。「気持ちで負けないように足を動かして自分らしく戦いたい」と話していた通り、集中した戦いでついに世界の頂点に立った。
優勝後のコメントに中国ネットユーザーも賛同!
桃田は試合後、「あまり自分にプレッシャーをかけすぎないようにして、自分のベストを尽くすことだけを考えた。今後の目標は、李宋偉(リー・ゾンウェイ)選手や林丹(リン・ダン)選手のように長くプレーし続け、応援してくれる方にレベルが高くて面白い試合を見せたい」と語ったという。
これに対し、中国のネットユーザーからは、「言葉に(周囲への)敬意がある」「人格は素晴らしいようだ」「礼儀正しく、謙虚で控えめな選手だね」など、その人柄に対する称賛の声が多く寄せられている。
桃田は昨年、優勝した女子の「奥原希望」に学びたいとその謙虚さを心がけて来た。相手方コートに落ちたシャトルをさり気なく拾いに行き、審判に手渡す態度などに完全アウェーの中国人からも好感が寄せられた様だ。
自らも「自分一人で優勝できた訳ではない。日本男子バドミントン史上初、世界選手権で金メダルを取れたことは、いままでの先輩たちが築き上げたものに自分が乗っかって優勝できたと思っています。これからも周りの人への感謝の気持ちを忘れず、もっともっとレベルアップしてきたいなと思います。」と、
謙虚に頭を下げた桃田選手は髪の毛も黒く短く、落ち着いた感じになってい
た。
ちょっと、やんちゃな時代を知っている人にとっては意外な感じを持たれたファンも多いだろう。フィジカルにもメンタル的にも成長した桃田選手に寄せられる期待は、あと2020年開催の東京オリンピックでの優勝だけだ!
彼は、きっと期待に応えられる選手に成長したと断言できるのではないか!