認知症の母が2回目の家出!新宿鉄道警察隊からの知らせは?
やはり認知症患者の取る行動は良く分からない。
池袋で降りるとばかり思っていたら、新宿駅で降りてしまった。
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認知症の母が2回目の家出~急いで新宿に引き返す
急いで新大久保駅で降りて新宿駅行の電車に乗った。
同じ場所に降り立っても影も形もない。
やられたと思った。
周りは人の波・・・
辺りを見渡しても全然見つからない。
しばらく捜したがまったく分からない。
仕方がない。一旦、家に戻ろう。
こんなに人が多いのでは見つけようがない。
どうせ、どこかで誰かに見つかり家に連絡が来るだろうと思った。
今回は警察にも届けなかった。
駅にも連絡しなかった。
警察署に行き、前回の様に詳細に姿、形、年齢、いなくなった時の服装、家出までの事情などもう話していられない。
駅に届け出ても同じ事だろう。
話している内に誰かに見咎められ、発見されるはずだ。
きっとどこかで誰かに保護され、家に連絡が来るだろうと高を括っていた。
朝飯も食いそこなった。
くそ忌々しい。
家に戻ると・・・
腹を立てながら家に戻ると、案の定、「新宿の鉄道警察隊から今電話があった」と妻が言う。
家出から2時間も経っていない。
仕方がない。
迎えに行くしかあるまい。
朝飯は抜きか?
新宿の鉄道警察隊の事務所に行くと、母が座っていた。
私を見ても何も言わない。
こちらも声をかけない。
鉄道警察隊の職員に礼を言っていると別室に招かれた。
50代半ばぐらいの隊員だったかな?
やはり白いゴムシューズを履いてうろうろしているのを誰かが不審に思って駅員に連絡したらしい。
「私にも同じような母がいます。腹が立つこともあるでしょうが勘弁してあげてください。」などと諭される。
しばらく話を聞いていると、どうやら又、母は適当に作り話をしていたみたいだ。
認知症の患者でも他人に自分のことを話すときは、涙ながらに語るらしい。
隊員が言うには「自分は我儘で家族に迷惑をかけている。北本に帰り、一人で暮らす。早くあの世に行きたい。」などと言っていたらしい。
迷惑をかけていることは間違いないが、口で言うほどしおらしい女ではない。
前回の家出の時と同じパターンだ!
隊員は母に同情し、俺に何か言わなければならないと思ったらしい。
まるで、又俺が虐待でもしている様なものの言い方だ。
俺だけ我慢しなければいけないらしい。
他人には母の正体が見えていない。
鉄道警察隊員に事情を話す気力も起きて来ない
あの近所の○○からの電話の時と同じ様に「はい、はい」と繰り返し答える。
この人を説得しても何も問題は解決しない。
話すだけ時間の無駄だ。
どう話した所で分かるまい。
丁重に礼だけ言って、母を連れて我家のある駅に向かう。
途中で母の言動に思わず、ぶん殴ってやろうかと思った程、腹が立った。
辺りに人の目がなかったら、本当に殴り倒して踏みつけていたかと思う。
新宿駅で山手線に乗る前に「どこで間違えたんだ?」と聞くと「間違えたんじゃない。分からなくなっただけだ!次にはもっと研究してから出て行ってやる。」と答えやがった。
言うに事欠いて、「もっと研究してから出てやる」との言葉に心底腹が立った。
それを如何にも悔しそうに憎々しげに言う。
まったく可愛げのない女だ!
鉄道警察隊員の前でのしおらしい態度とは真逆の有様だ!
自分が悪いなどとは露ほども思っていない。
これが家族に迷惑をかけていると自覚して言う女の言葉か?
「今回は研究不足だった」との言い草だ!
ここまで負けん気が強いと、まあいささか異常だなぁ・・・。
駅を降りると途中で私だけ先に家に帰った。
母は歩くのがのろいので「先に行っていい!」と叩きつける様に言う。
言われなくても先に行く。
一体、こんなバカな事を何回繰り返せば気が済むんだ。
家に戻り、朝昼兼用の食事を済ませる。
腹が立っていたのも薄れ、半ばもう呆れ果てていた。
勝手に交番に行けよ!
午後になると今度は「交番に私の事を通報する」と言い出した。
「勝手にどうぞ!」と送り出す。
暫くすると家に戻って来た。
1時間半ぐらいは経っていたかな。
交番で相手にされなかったのだろう。
家に戻って来て、又泣いている。
自分の名前も言えなかったらしい。
言い出せなかったのだろう?
恥ずかしくて…
新宿駅で保護された時、住所や電話番号は言えたのかな?
不思議だ!
東京でもディサービスに行ける手続きを済ませていた。
靴や服などに名前を書き始めていたから、そこから判明したのかな?
しかし、名前だけでは住所や電話番号は分からないはずだ。
保護されたときは覚えていて言えたのかなぁ?
どうやら何か住所や電話番号が分かる様な物を持ち出して家出したらしい。
そうでなければ、あんなに速く家に連絡は来なかったはずだ。
どうも良く分からない。
こちらも調べもしないし、又聞きもしない。
何度、家出しても同じ事になるだろう。
その内、落ち着くのを待つしかあるまい。
今は好きにさせとくしかない。
今に目覚めるだろう。
母の事だけ考えているとこちらの頭がおかしくなってくる。
「この先どうなるのだろう?」とあまり真剣に思っていると、昼間から精神安定剤でも飲まないと不安に駆られて、又夜に眠れなくなる。
母の事は脇に置いといて、まず再就職先を探さなければならない。
昼間、母と二人きりになると気が滅入ってくる。
妻や子供がいるだけで救われる。
しかし、認知症患者で頻繁に徘徊する場合は家族も大変だろうなぁ。
枕を高くして眠れまい。
鉄道事故でも起こせば家族は介護の注意義務違反を指摘され、鉄道遅延の損害賠償請求訴訟を起こされる危険性さえある。
実際、そんな裁判が起こされた事例があったなぁ。
最高裁もそこまでバカな判決は下さないだろうと思っていたが、一般人には訴訟を起こされただけで大変な負担を強いられるだろう。
在宅看護の限界を感じる
弁護士を頼むだけでもお金がかかる。
ただでさえ、大変なのに判決が出るまでの間、心労が重なるだろうなと思う。
24時間眠らずに認知症患者の行動など見張ってはいられまい。
在宅看護の限界の一つだなぁ!と感じる。
我家でも放っておけば、やはり危ないのかな?
ではどうすれば良いのだろう?
妙案は浮かばなかった。
なったら、なった時に考えようと思っていた。
今から取り越し苦労をしても何も始まらない。
身が持たない。
ただ、あまり放任しておく訳にもいかないな。
かと言って何ができただろう?
交番にまで付き添ってやるか?。
この人が、この母が私の事を「泥棒!泥棒!」と呼んでいますと…自己申告してやれば気が済むかな?
あー、もうアホらしくてやってられない・・・
母のことは、もう考えたくない、放棄したいという気持ちになっていた。
勘弁してほしい。どこまで人を振り回せば気が済むのか!?
底が知れない。