はやぶさ2の小惑星:リュウグウへの着陸は?今日の夕方TV放映
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は21日、探査機「はやぶさ2」を小惑星「リュウグウ」に着地に向け、同日午後1時15分、高度高度20キロから降下を始めたと発表。
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「はやぶさ2」の小惑星:「リュウグウ」への着陸は?
運命の朝・・・歴史的瞬間!「リュウグウ」へ降下、着陸へ
探査機「はやぶさ2」が本来と異なる位置情報を送ってきたため、計画より5時間遅れでの降下開始となったが、機体の状態に変化はないという。
地球から約3億キロの彼方にある小惑星「リュウグウ」に、探査機「はやぶさ2」が2月22日朝、タッチダウン(最初の着陸)を行う予定。
岩塊との接触を避けるため、半径3メートルほどの平らな場所を狙う「ピンポイント・タッチダウン」に挑む。
JAXAによると、探査機のプログラムが一時、不調だったが、手順を変更して対応。
リュウグウの高度5キロまでの降下速度を予定の秒速40㎝から同90㎝に速める事で計画通りに行けば、22日午前8時ごろに着陸できる見通しだった。
高度500mで最終的な着陸決行を判断し、以後は探査機が自律的に運航する。着陸時には機体底部にある筒状の物質採取装置を2~3秒間接地させ、この間に地表へ向け弾丸を発射。舞い上がった岩石のかけらを採取して浮上する。
リュウグウは大きな岩に覆われており、半径3mの限られた大地に着陸する予定だ。しかし、22日午後1時現在、まだ着陸に成功したという報告は入って来ていない。
会見したチーム関係者は「何が起きても的確に対処できる。人事を尽くして天命を待つ心境だ」と話している。
小惑星:リュウグウとは?
重大な局面を迎えたはやぶさ2だが、その道のりは長かった。2014年12月の打ち上げから約4年間にわたる旅路を、はやぶさ2が撮影した写真とともに見てみよう。
はやぶさ2の着地目標は半径3メートルの狭い平地。設計上の能力では、着地点は狙った場所から50メートルの誤差が生じる可能性があり、大幅に上回る精度が必要だが、地表の目印の活用などで克服できるとみている。
JAXAの久保田孝教授は「着地さえすれば99%以上、半径3メートルの範囲に入るだろう」と述べ、危険な岩場に着地する可能性はほぼないとの見解を示した。
降下中に機体が地形を分析し、目標から外れるなどの異常を検知した場合、自動的に着地を中止し上昇する。安全を優先し中止基準は厳しく設定したという。
初代はやぶさは平成17年に着地したが、弾丸発射には失敗した。
はやぶさ2が着地するリュウグウは、70万個以上ある太陽系の小惑星の一つ。
採取した物質を分析することで、太陽系の歴史や生命の謎の解明に役立つと期待されている。
高度6キロから撮影されたリュウグウ:2018年7月20日
写真で見る「はやぶさ2」の旅路
15年12月4日に撮影した地球の画像:画面右上にオーストラリア大陸、左下に南極大陸が見えている(JAXA提供)
18年6月6日に撮影した「リュウグウ」視野は6.3角度×6.3角度、露出は78秒:はやぶさからはふたご座(Gem)の方向に「リュウグウ」が見える(JAXA提供)
今日の夕方TV放映予定~NHKはニュース7、フジTVは4時50分から放映
約46億年前に誕生した太陽系は当初、小さな天体の集まりだったが、これらが衝突、合体を繰り返して地球などの惑星が生まれた。
惑星は誕生時の衝突エネルギーで高温になり、物質はどろどろに溶けて変質したため、太古の状態は既に失われている。
これに対し、惑星になり損ねたのが小惑星だ。その多くは太陽から遠い場所にあり、低温を保ってきたため、太古の状態を今もとどめている。いわば太陽系の「タイムカプセル」だ。
小惑星の大半は火星と木星の間にとどまっているが、初代はやぶさが訪れた「イトカワ」やリュウグウは地球に接近する軌道を周回しており、探査機を送りやすい。
生命の材料であるアミノ酸などの有機物や水は、小惑星などが原始の地球に衝突したことで運び込まれたとする仮説が有力だ。リュウグウはこれらが豊富に存在するとされるタイプの小惑星。
その物質を詳しく調べれば仮説を検証でき、生命の起源に迫れそうだ。
人類の夢と希望を「はやぶさ2」は見せてくれる。