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地面師ら逮捕!積水ハウスはなぜ騙されたのか?主犯格は海外逃亡?

 
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大手住宅メーカー積水ハウス(大阪市北区)が、東京西五反田の土地取引をめぐって、地主に成り済ました「地面師」に土地購入代金六十三億円を支払い、だまし取られた事件で、警視庁捜査二課は十六日、偽造書類で不正に所有権移転を登記しようとしたとして、偽造有印私文書行使と電磁的公正証書原本不実記録未遂の容疑で、会社役員生田剛(いくたつよし)(46)=東京都渋谷区恵比寿四=と、職業不詳羽毛田(はけた)正美(63)=足立区足立四=の両容疑者ら男女八人を逮捕した。

 

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本当の所有者からの再三に渡る内容証明を無視!

 

仮登記後に本物の所有者から再三、「提出された書類は全て偽造」などと指摘があったのに、積水ハウス社はこれらを無視していたとのこと。同社東京マンション事業部が問題の土地の売却情報を入手したのは昨年3月。

 

4月に契約を締結し、手付金約14億円を支払い、仮登記を行った。

5月、これを知った本物の所有者が「登記済証は自分が持っており、提出された書類は全て偽造」などとする内容証明を複数回、積水ハウスに送っていた。

本来、不動産を扱っている者なら、当然調査すべきところなのに、同社は、これを「取引妨害の嫌がらせ」として無視。「登記を完全履行することによって沈静化する」と考え、6月に残金約49億円を支払った。考えられないお粗末さ!

事件発覚後、同社は「地面師側の犯行が狡猾(こうかつ)、大胆で、リスク管理部門までも現場の先入観に左右された」とのコメントを発表した。担当者らが地主を名乗る女らと接触した際も、後に偽造品と判明したパスポートなどで本人確認をしただけだったとし、「過度に信頼し、調査が不十分な状況で契約を進めた」と説明したが・・・あまりにお粗末・・・プロのやる仕事ではない。余程精巧にパスポートが偽造されていたとしても・・・真の所有者からの内容証明書を無視して取引するとは?・・・考えられない凡ミスである。

積水ハウスはマンション土地取引で詐欺被害に遭い、2017年7月中間決算に約55億円の特別損失を計上。総会で、阿部会長はこれについて、株主に陳謝した。

 

しかし、事件発覚後の対応もお粗末だった。責任をめぐり、当時社長だった阿部俊則氏(現会長)と会長だった和田勇氏が対立。今年1月の取締役会で互いに解任動議を提示し、和田氏が辞任するなど、社内の混乱を招いた。同社の説明は「経営陣の若返り」というものだったが、正にガバナンスの体制が問われる事件であった。

 

何よりも問題なのは、日本を代表する大企業である積水ハウスが、こうした人事抗争が表面化した後も説明を頑なに拒んだ「開示姿勢」にある。和田前会長を退任に追い込んだ阿部会長には、ガバナンス改革が掛け声倒れにならないよう、やり抜くしか信頼回復の道はないのだが・・・体質は変わるまい。

 

2017年9月時点で取締役全員の減俸処分を行い、同11月にマンション事業本部長だった常務執行役員の辞任と、法務部長と不動産部長の解職で責任を明確化しており、事件については解決していると表明しているのだから。

 

土地取引をめぐる詐欺被害に絡み、経営陣の内部対立が起きた積水ハウスは今年の4月26日、大阪市内で、事件後初となる定時株主総会を開いた。

和田勇前会長を辞任に追い込んだ阿部俊則会長を含め、取締役11人の選任が承認されている。

 

大企業としては、あまりにお粗末でずさんな取引であり、常識では考えられない事件である。発覚後の経営陣の対応も世間の
失笑をかっている。

 

しかし、株主総会では、この事件に対して無論質問は出されたが、大した混乱もなく(今まででは一番長かった株主総会であ
ったらしいが・・・)、無事終了したらしい。

 

役員が引責辞任することなく、報酬も提案通り認められた。住宅部門は振るわなかったが、リフォームと海外事業が順調で、全体としては増収増益の報告の中シャンシャンと・・・会場は積水ハウスのOBが目立って多かった様らしいが・・・

 

 積水ハウスの事件を巡る経緯

【2017年】

3月30日 営業担当者が土地売却話を入手

4月24日 売買契約。手付金約14億円支払い

5月10~23日 架空取引を示唆した、地主名義の内容証明郵便が4通届く

6月1日 代金約49億円支払い

6月9日 法務局が移転登記を却下

8月2日 「取引事故」と公表

9月7日 特別損失約55億円を計上

9月15日 警視庁に告訴

【18年】

1月24日 取締役会。和田勇会長(当時)が辞任

3月6日 「経緯概要」を公表

10月16日 容疑者ら逮捕

 

以上が、事件の流れのあらましであるが、積水ハウスは真の所有者の再三に渡る指摘も無視し、偽造書類見抜けず―、発覚後に社内対立が起きるというずさんな対応が業界の話題になっていた。

 

事件になった土地:本当の所有者の女性(当時72歳、昨年6月に死去)は当時入院中で、親族以外は面会謝絶だった。旅館跡地は100億以上の価値があると言われ、業界では「所有者が売りたがらない土地」として知られていた。

 

所有権の移転登記中に印鑑証明などの偽造が判明。

登記はなされず、積水ハウスは土地の購入代金のうち、預り金などを除いた約55億5000万円をだまし取られた結果に終わった。

 

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地面師とは?~逮捕までの経緯

 

他人の土地(地面)の所有者になりすまし、無断で土地を売却する詐欺師グループ。

2020年東京五輪・パラリンピックを控え地価が高騰していることに加え、高齢化で空き家が増えていることを背景に被害が増えており、警視庁は年間20~30件の相談を扱っているらしい。

 

13年には大手ホテルチェーンが東京・赤坂の土地を購入しようとして12億円の被害に遭い、昨年11月に10人が詐欺容疑などで逮捕されている。

 

捜査関係者らによると、生田容疑者は積水との売買を仲介した不動産会社の実質的オーナーで、羽毛田容疑者が偽造パスポートを使って地主に成り済ましていたとみている。

他に逮捕されたのは、板橋区常盤台1、会社役員、永田浩資(54)の容疑者。

リーダー格の一人とみられる会社役員、カミンスカス(旧姓・小山)操(みさお)(58)=先週末に海外に出国=らの逮捕状も取った。詐欺容疑も視野に入れて捜査をしている。

 

地面師グループの一員とみられているカミンカス容疑者は、捜査が大詰めを迎えていた先週末に日本を出国している。今年2月の毎日新聞の取材に「自分も騙された」と事件への関与を否定していた。しかし、警視庁捜査二課はカミンカス容疑者をグループのリ-ダー格の一人とみて、行方を追っている。

 

直接の逮捕容疑は、昨年六月、JR五反田駅近くの品川区西五反田二の廃業した旅館の敷地(2000平方メートル)を巡り、地主に無断で所有権移転を登記しようとし、偽造した地主の委任状などを東京法務局品川出張所に提出したとされる偽造有印私文書行使と電磁的公正証書原本不実記録未遂の容疑である。

 

二課によると、羽毛田容疑者は「所有者に成り済ましたのは間違いない」と供述し、不正登記への関与については認否を留保している。生田容疑者ら七人は「逮捕されるようなことはしていない」などと容疑を否認している。

 

二課は、八人が地面師グループで、偽造書類の調達やニセ地主の手配などの役割を分担したとみて、土地代金をだまし取った詐欺容疑でも調べる方針。主導した疑いがあり、先週フィリピ

ンへ出国したカミンスカス操(みさお)容疑者(58)ら数人

の逮捕状も取り、行方を追っている。

 

所有権移転登記は、法務局が本人確認書類の偽造に気づき、却下された。

積水は八月に「取引事故」があったと公表。翌月、購入代金のうち、積水がグループ側に別のマンションを売るために預かる形にしていた約七億五千万円を除き、約五十五億円を特別損失として計上し、警視庁に詐欺容疑で告訴していた。

 

関係者によると、カミンカス容疑者は、旅館跡地の所有者の女性になりすました羽毛田容疑者の「財務コンサルタント」を名乗り、積水ハウス側との交渉にあたっていたらしい。毎日新聞の取材に対し、カミンカス容疑者は「知人の紹介で土地の売買を知り、いろんな企業に売却を持ちかけた」と売買交渉にかかわったことを認めていた。

 

その一方で、「女(羽毛田容疑者)のことは多少怪しいと思っていたが、パスポートや印鑑証明もそろっているので本人(有者)と信じてしまった」と主張し、「地面師が絡んでいるかもしれないが、自分には分からない」と話していた。

 

積水ハウスから受け取った代金については、「大部分が女(羽毛田容疑者)の手元に入り、自分は報酬として5000万円ほどを受け取っただけ」と話している。警視庁捜査第二課は、羽毛田容疑者はグループの末端とみており、金の流れを追及している。

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