俳優で歌手、萩原健一(本名・萩原敬三)が26日午前10時30分、消化管間質腫瘍(GIST)のため東京都内の病院で死去したことが28日、分かった。萩原健一は1960年代後半にGS(グループサウンズ)バンド、ザ・テンプターズのボーカルとして活躍。70年に解散後は俳優業にシフト。ドラマ「太陽にほえろ!」「傷だらけの天使」「前略おふくろ様」などが当たり役になり、音楽でも演技でも天才ぶりを発揮し、カリスマとして一時代を築いた。
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『傷だらけの天使』(きずだらけのてんし)は、1974年10月5日から1975年3月29日まで、毎週土曜日22:00 – 22:55に日本テレビ系で放送されたテレビドラマである。全26話。随分と古い話だ、もう45年前になるのか!?月日の流れるのが早い。
出演者は萩原健一、水谷豊、岸田今日子、岸田森、ホーン・ユキなど。
『白い牙』に続く’土曜夜10時の日テレアウトロー路線’第二弾で、2人の若者の怒りと挫折を描いた探偵ドラマ(犯罪ドラマ)。暴力団の抗争から捨て子の親探しまでストーリーはバラエティに富んでいる。
第1クールは修と享が汚れ仕事をやらせる綾部に何とかして一泡吹かせようと反攻を試みるが考える事は全てお見通しで全てにおいて上回る彼女達に尽く先回りされ失敗するという展開が中心だった。
だが、視聴率が1桁台と苦戦を強いられ、そこで第2クールは「暴力や裸のシーンを抑え、人情味溢れる展開にする」という軌道修正が図られ、2桁台の視聴率をキープすることに成功(最終回の視聴率は19.9%)。
しかし、強大な権力・体制からの理不尽な仕打ちや閉鎖的で非情な社会に屈する救いのない終わり方は最終回まで貫かれた。
探偵事務所を舞台にしたこのドラマで、萩原と水谷は調査員役を演じ、2人の出世作となった。萩原が演じた木暮修の破天荒な日常は当時の若者から絶大な支持を得たらしい。一方、水谷は萩原を兄のように慕う弟分の乾亨(あきら)役で、「アニキ~」と頻繁に呼ぶ姿が代名詞となった。
深作欣二ら名だたる映画監督が演出したものの、当時は視聴率が伸び悩んだが、視聴者から当初より高く評価され、放送終了後も「名作」としての地位を得ており、DVD化されている。
後に、主演の萩原健一に対して「アニキー!」と呼び掛けるセリフをとんねるずらがモノマネしたことなどから、放送当時を知らない若者にも知られるようになった。この作品で初めてコンビを組んだ萩原を水谷は『永遠の兄貴』だと語っている。
下記に記した様なストーリー(Wikipediaより引用)でDVD化もされているが、買って見返す気にもなれない。90年代の初頭、萩原健一と水谷豊がアクション映画で久々に共演する企画が持ち上がっていた。監督は、『傷だらけの天使』にて2話分を演出した巨匠・深作欣二氏。
深作欣二監督 画像
後に小説家としても名を成した脚本家の野沢尚が、オリジナルシナリオを執筆。
脚本は1991年に完成しており、『傷だらけの天使』の主演 × 監督のトリオと『傷天』を見て育った世代の俊英ライターが組む夢の顔合わせであったけれども、陽の目を見ることはなかった。
深作は癌との闘病の末、2003年に逝去。
翌2004年、実現を切望していた野沢も哀しい最期を遂げている。自殺であった。テレビ業界に絶望していたらしいが、本当には直接の動機は分かっていない。
野沢尚 画像
この作品で共演した岸田森(きしだ しん)に「豊には見ている人にその役が素だと思わせるような役者になってほしい。豊はそれが出来るやつだと思っている」と助言をされ、その言葉を水谷は今も大切に思っているという。水谷豊は先輩俳優の岸田を非常に慕っており、今の活動にまでそれは影響を与えている様である。
岸田森は無類の酒好きで、1982年12月28日(43歳)という若さなのに食道がんで亡くなっている。才能のある俳優であり、脚本家でもあった。惜しい人物であったが非常な寂しがり屋で、それが元で酒好きに走り食道がんを誘発した原因の一つであるらしい。岸田今日子は従姉にあたる。
萩原健一の訃報に際し、共演した俳優・水谷豊(66)は30日に、所属事務所を通じ「急な訃報で今は言葉になりませんので、コメントは差し控えさせていただきます」とした。
水谷豊 画像
探偵事務所の型破りな調査員に扮した萩原さんと弟分の水谷。「アキラ」「アニキィー」の掛け合いがお茶の間に受けた。コンビで濃密な時間を過ごしただけに、「アニキィー」の死をにわかに消化するのは難しかったかもしれない。この作品をステップに飛躍した水谷。ドラマと違って先に逝ってしまっ「アニキィー」に悲しみは尽きないようだ。
水谷が萩原と共演したのは、他には「太陽にほえろ!」に萩原が「マカロニ刑事役」で登場していた時、犯人「マサル」役で出演した時ぐらいではないか。「傷だらけの天使」の続編が作成され、二人が共演することはついぞ実現しなかった。
木暮修(こぐれ おさむ) – 萩原健一
探偵事務所「綾部情報社」の調査員。年齢は24歳。最終学歴は中卒。エンジェルビルの屋上にあるペントハウスに住んでいる。性格は粗暴だが、仁義に厚く、非情に徹しきれない。危ない仕事ばかり回してくる綾部には不信を抱いており、金銭的に困窮していてもなかなか仕事を受けたがらず事務所からの指示に背いて独自の行動を取ることも多い。
エンジェルビル:画像
最終回で綾部から唯一高飛びに誘われ、京子からも『本当のワルに徹するか新宿のクズで終わるか』と決断を迫られるが肺炎で死んだ亨が見捨てられず、彼なりに手厚く葬った後夢の島へ死体を棄ていずこかへ逃亡した。
趣味は浪曲のレコード鑑賞。剣菱をいつも愛飲している。
死別した妻との間に一人息子の健太がいるが、金銭的な理由とあくどい仕事にこき使われている自分を見せたくなくて千葉の妻方の実家に預けている。このため子供には優しい。なお、息子の名前は高倉健と菅原文太から1字ずつを取って名づけた。
乾亨(いぬい あきら) – 水谷豊
修と同じく綾部情報社の調査員。年齢は22歳(劇中、修のセリフで「俺より3つ年下」とある)。修を兄のように慕い、修に張り付いて身の回りの面倒を見ている。修よりも純情かつ手堅い気質で、将来はお金を貯めて、修と健太の3人で暮らすことを夢見ている。
親の顔を知る前に孤児院に捨てられ家族の顔も知らずに育ち、最終学歴は自称小卒(中学校中退)だが、自動車修理工として働いているときもある。リーゼントで頭にはポマードをべったりつけ、皮ジャンかスカジャンをいつも着ている。当時の設定としては時代遅れのスタイルとしてこの格好をしていたが、放送終了後に真似をする若者が急増し、第2次ブームを迎えた。
劇中、頻繁に修を「兄貴ぃー!」と呼んで登場し、ある時は連呼する。
最終回で自動車修理工を辞め、あるクラブでボーイとして働き客のチップのため真冬の噴水で水浴びさせられたことで肺炎にかかり、高飛びしようとする修に捨てられ、多くのエロ本のヌードグラビアをペントハウス中にばら撒き見守られながら孤独死。
童貞。市川が亨の女性観を聞かれると「一生童貞なんじゃないですか? いくら女好きを誇張しても、いざ据え膳となると、ぶるぶる震えて直前になって逃げ出すタイプです」と公言。実際、修と女性の性行為を見ても、横で震えている。
綾部貴子(あやべ たかこ) – 岸田今日子
綾部情報社の社長。表向き事務所の評判はよいが裏では悪事にも手を貸し非合法な取引なども行う悪徳探偵事務所でもある。非情な性格でプライドも高い。修と亨にたびたび危険な仕事を与えて酷使する一方、修には「あなたは本当のワルになれる」と目をかけている。
彼女が事務所で登場する際に背後には決まってポーラ・ネグリが歌う映画『Mazurka』(マヅルカ 1935年、独映画)の主題歌が、古びた蓄音機から怪し気に流れている。
番組中期では、「海外視察」として国内を辰巳に任せ、名前があがるだけで登場していない。最終回、本州 – 四国間海底トンネル工事の利権に絡み資産を全て押さえられた上、公文書偽造背任横領の逮捕状が出たため船でヨーロッパへ高飛びを図る。
辰巳五郎(たつみ ごろう) – 岸田森
綾部の片腕として働いている綾部情報社のナンバー2。冷徹さを装うも、実はスケベ(浅川の胸を直接触るなどの当時確立されていなかったセクハラを堂々と行う)で見栄っ張り。
修と亨には常に威張っており、修たちへのギャラ(たいてい1回20万円)の一部をピンハネする。表立って口には出さないが、内心は綾部に想いを寄せている。胃下垂。頭髪はカツラであり、実際は剃髪している(岸田がカツラを外して土下座するシーンが第5話にある)。最終回では綾部に捨てられたにもかかわらず、海津が彼女を逮捕しようとしたところを阻止して手錠をかけられる。
浅川京子 – ホーン・ユキ
綾部情報社の経理担当兼電話受付。綾部を尊敬している。下請け調査員である修たちのことを見下していたが、次第に理解を示すようになる。最終回で探偵事務所が解散し、綾部から解雇され田舎へ帰ったはずだったが小説版では悲惨な最期を遂げていた。
萩原健一が病没したことで、DVDが日の目を見る日がまた来るだろう。
若き日の萩原や水谷豊を見るのもいいかも・・・
もう二度と共演作を作ることは出来ないのだから。