大相撲に新たな力の台頭、世代交代の兆し!19年の土俵を展望する
大相撲は一年納めの九州場所で小結・貴景勝が初の幕内優勝を果たした。2018年は初場所の平幕・栃ノ心(現大関)、名古屋場所の関脇・御嶽海を含め、3人が初めて賜杯を手にした。
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新たな力の台頭、世代交代の兆し
今季の様な一年は、関脇・武双山(後に大関)、平幕・貴闘力、小結・魁聖の3人が初優勝した00年以来、18年振りとなる。新星が相次いで生まれた背景を探ってみる。
初優勝者が年間3人以上出たのは、年6場所制が定着した1958年以降で、僅か7例しかない。過去に共通しているのは前後に複数の横綱が引退した点だ。
91、92年は2年連続で3人が初優勝した。特に91年は、初場所で大関・霧島、名古屋場所で前頭13枚目の琴富士、続く秋場所で同5枚目の琴錦が初優勝。
春場所は横綱・北勝海、夏場所は同・旭富士、九州場所は大関・小錦と、全6場所で優勝者が異なる大混戦だった。
元琴錦の朝日山親方は、久々に3人が初優勝を遂げた今年の相撲界を「新たな力の台頭、世代交代の兆しを感じる」と評している。
今年の年間最多勝は59勝の栃ノ心。
昨年は横綱・白鵬で58年以降で最小の56勝だった。
2年連続で最多勝が50勝台にとどまったのは初めての事。
元北勝海の八角理事長は「過渡期かな」と語る。
2018年九州場所で優勝した貴景勝
19年の土俵を展望する:やはり節目の年
91年頃、大相撲は一つの節目を迎えていた。同年は夏場所で千代の富士、名古屋場所で大乃国と2横綱が相次いで引退。92年も初場所で旭富士、春場所を最後に北勝海と2横綱が引退。
ついに60年振りの横綱不在になり、これが93年初場所後の曙の昇進迄続いた。
朝日山親方は、91年名古屋場所で同部屋の琴富士が平幕優勝し、「自分もという気持ちになった」という。とはいえ、「チャンスはあると思ったが、本当に優勝できるとまでは思っていなかった」と語っている。
98年九州場所で史上唯一の2度目の平幕優勝を果たし、00年まで現役を続けた朝日山親方は、「91、92年と00年。それぞれ初優勝した力士と対戦したことがある。みんな輝くものを持っていた」と振り返る。
初優勝を足掛かりに大関の地位を得た栃ノ心は30代だが、御嶽海は25歳、貴景勝は22歳!
その輝きに刺激を受けた同世代は優勝を見据えて19年も果敢な挑戦を続けるだろう。
受けて立つ白鵬、鶴竜、稀勢の里の3横綱はいずれも30代!
新旧のせめぎ合いが土俵をさらに活気づけることだろう。
91、92年と同様に初優勝の若手が、どんどん出て来るのを期待したい。
まとめ~稀勢の里の凋落と若手の奮起
和製横綱・稀勢の里(32)の凋落に揺れる大相撲。
本人は来年の1月場所で進退を懸ける覚悟の様だが、復活には懐疑的な見方がほとんどだ。
角界では早くも稀勢の里に代わる人気横綱が待望されており、番付と実力を考えれば、大関の高安(28)と栃ノ心(31)は昇進してもおかしくない。関脇の御嶽海(25)も伸びしろは十分だ。
若手も阿武咲(22)や北勝富士(26)ら多士済々。
中でも評価が高いのが、元貴乃花部屋の貴景勝(22)だ。175センチ、170キロの豆タンク体形ながら、今場所は小結を務め見事優勝を果たしている。
「持ち味は押し相撲と、相撲センス。力士の中では小柄な方なので、突き押し一本では厳しいものの、それをカバーして余りあるセンスがある。特に、相手をいなして体勢を崩す技術は天性のもの。さらに上を狙える」とある親方は話す。
そして、さらにこう続ける。
「貴景勝にとって何より大きいのが、千賀ノ浦部屋に移籍したことでしょう。前の師匠の貴乃花はトラブルメーカーで、部屋に報道陣が押し寄せることもしばしば。あれでは稽古に集中できなかったはずです。そんな環境でも力をつけてきたのだから、伸び伸びやれる今後は、さらなる飛躍が期待できる。貴乃花親方の廃業は、貴景勝にとっては大きなプラスになる」と・・・
確かに貴乃花親方は、今後一体どうなるのだろうか?
いや、どうする積りなのだろうか?
相撲道の改革を声高に唱えた割には、あっさりと廃業!
考えるだけでも馬鹿バカしい。
いずれにしても、19年の大相撲は若手の奮起に期待するしかない。
大相撲を代表する「顔」になれそうな面々が出そろって来た感じがする。
来年も荒れる場所になりそうだなぁ・・・
楽しみだなぁ!