平成28年4月27日(水)昼頃
母、北本駅にて転倒!左大腿骨骨折!
搬送先の救急病院から電話が自宅に入った。
またか!
思わず声が出る。
とうとう最悪の事態が起きてしまった。
埼玉の自宅を売却したのに母の田舎通いが終わることがなかった。
足腰が大部衰えてきて手押し車を押してやっと歩いている様な状態だったのに・・・
生まれ育った土地がそんなに良いものなのか?
私には到底理解出来なかった。
何の魅力も感じていない土地だったから・・・
私はもう66歳になっていた。
体調はまだ最悪の状態だ。
これで、又母の面倒を見なければならないのか!
正直言って勘弁して欲しかった。
老々介護とは高齢者を65歳以上の高齢者が介護している状態を指す。
老々介護にも二種類ある。
高齢者の妻が高齢者の夫を介護する。
65歳以上の子供がさらに高齢の親を介護する。
私の場合は言わずもがな・・・
体調が良い時でもしんどい事なのに、この状態で介護しなければならないのか!
本当に絶望感に襲われた。
母は一人で妹の家に遊びに行き、東京に帰る途中、北本駅で転倒し救急車で○○病院に緊急搬送された。
長い、長い老々介護の始まりだった!
高齢者が何かの拍子で転倒し足などを骨折すると大体命取りになる。
近所ではそんな人が何人もいた。
重々、分かっていたはずなのに何でこんな事になるのか?
又、私が母を迎えに行かねばならなくなった。
本当に辛い。
体調が全く優れない。
とにかく金や保険証を持って駆けつけた。
しかし、医師の説明をまたも落ち着いて聞いていられない。
立ったり座ったり、椅子に長く腰かけていられない。
説明の半分は聞き流していた。
聞いていられないのだ!
ちょっと難しい話になると油汗が出てくる。
辛かった。
理解しようとするのだが、頭が働かない。
こんな状態で母の介護を又しなければならないのか?
困ったことに母は○○病院での手術を嫌がった。
早く手術しないと手遅れになるのだが・・・
今度ばかりは認知症再発の危険云々を言っていられないのだ。
結局、10日間入院して東京の病院で手術することになった。
入院先を決めるだけでも大変なのに、もう10日間も経ってしまっている。
しかも普通の搬送はできない。
介護タクシーで寝たまま東京の○○病院に搬送することになる。
それには早朝にこの田舎の病院に来て母を介護タクシーに乗せねばならない。
その自信が私にはない。
不眠症から早起きなどできないのだ!
仕方がなく妻に代わって行ってもらう事になった。
又も妻の力を借りないと何もできない。
私は転送先の病院で母と妻の乗る介護タクシーが到着するのを待つことにした。
後で、妻から言われ「しまった!又やってしまった!」と感ずる事があった。
私は母の健康保険証を持って行ったが、後期高齢者の手続きをしていなかった。
そのため退院する時、40万円以上の治療費を請求される羽目になった。
私の頭の働きはそのぐらい鈍っていた。
手続きをし直し、10数万の支払いで済んだとの事だった。
妻からは一瞬頭が真っ白になったと聞かされた。
赤面の思いだ!!
しかも、この10日間の遅れがあとで決定的に重篤な事態を引き起こす事となった。
左大腿骨骨折の手術はこの3日後だった。
9時から始まり、11時までかかった。