今オフにポスティングシステムを利用して大リーグ移籍を目指す西武の菊池雄星投手(27)が29日、11月1日に解禁となる日本野球機構(NPB)への申請時期について、球団と会談することを明かした。代理人を務めることが最有力なスコット・ボラス氏(65)も移籍市場に30歳以下の左腕が少ない点をアピール。米メディアではヤンキースの獲得候補に挙げられるなど、争奪戦となる可能性が高いらしい。
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菊池 雄星(きくち ゆうせい)
1991年6月17日生まれ(27歳 )
出 身:岩手県盛岡市出身
職 業:プロ野球選手(投手)左投左打
所 属:埼玉西武ライオンズ所属
ホリプロとマネジメント契約を結んでいる。フリーアナウンサーの深津瑠美は妻
身 長:184㎝
体 重:100㎏
プロ入り:2009年ドラフト1位
初出場:2011年6月12日
年 俸:2億4000万円+出来高
経 歴
小学3年生の時に見前タイガースで一塁手として野球を始める。盛岡市立見前中学校在学中は盛岡東シニアでプレーをする。この頃から本格的に投手へ転向した。3年春に東北大会準優勝。東北選抜の一員に選ばれ、全国大会準優勝に貢献。そして、花巻東高等学校に進学。
甲子園での活躍
高校1年時、第89回全国高等学校野求選手権大会に出場。一回戦・新潟明訓高等学校戦にリリーフ登板し5回を1失点に抑えるもその1点が決勝点になりに0対1で敗退。この試合では145㎞/hの速球を投げたが、速球にこだわりすぎたことにより制球が乱れ、秋の県大会では1回戦で敗退した。
2年春には球速も149km/hまでアップし、腰痛の不安で公式戦初先発となった2年春の東北大会準々決勝・仙台育英戦では6対2で完投勝利した。夏は県大会準々決勝で敗退。
3年春に秋の試合内容が高く評価され、逆転で第81回選抜高等学校野球大会に出場。初戦の北海道鵡川高等学校戦では最速152km/hを記録、9回1死まで無安打の投球で2安打完封をする。決勝では、長崎清峰高等学校の今村猛との投手戦になるも0対1で敗れ、岩手県勢初の優勝とはならなかった。
3年夏は春に続き第91回全国高等学校野球選手権大会に出場。夏の大会は背中の痛みを隠しながら登板を続けていた。岩手県勢では夏の甲子園41年ぶりのベスト8進出を決めた東北高等学校戦では自己最速となる154km/hをマーク(甲子園の電光掲示板には154km/hと表示)。
準々決勝では今宮健太を擁する明豊高等学校と当たり、4回までパーフェクトと好投を見せ、7対6で勝利するも、腰痛を訴え5回にベンチに退いた。準決勝の中京大学付属中京高等学校戦では背筋痛のため先発せず、4回2死満塁から登板するも打ち込まれ、わずか11球でマウンドを降板、1対11で敗れた。菊池はその後の精密検査で、左の5本目の肋骨が折れていたことが判明した。
ドラフト会議前にはメジャーリーグ球団からも注目され、元々の志望もありメジャーリーグ挑戦も考え、国内12球団に加え、メジャーの8球団とも面談した。
結局、「まだまだ自分のレベルでは世界で通用しないと思いました。日本の方全員に認められてから、世界でプレーしたいと思いました」として日本のプロ野球でプレーすることを表明した。
2009年10月29日に行われたドラフト会議では、埼玉西武ライオンズ、阪神タイガース、東京ヤクルトスワローズ、東北ゴールデンイーグルス、中日ドラゴンズ、北海道日本ハムファイターズの6球団による1巡目指名を受け、競合の末に西武が菊池の交渉権を獲得した。菊池は11月21日に契約金1億円+出来高5000万円、年俸1500万円(金額は推定)で仮契約し、背番号は「17」に決まった。
入団1年目に左肩を痛め、2013年にも左肩の炎症で戦線離脱、今季も左肩の機能低下で登録抹消となっている。
しかし、今季の菊池は左肩の不調もあったが復調し、結果14勝4敗、防御率3・08。10年ぶりのリーグ優勝、日本一を目指したチームのエースとして安定感を発揮した。リーグ優勝も叶わなかったが、球団は数年来の働きを認め、メジャーリーグ挑戦の夢を後押しする意向だ。
1昨年前までの通算成績を見ても、659回の登板に対して277の四球を与えている。およそ2イニングで1個四球を出している計算になる。
入団してからの3年間は、1軍と2軍を行ったり来たり、その後3年間は勝ち数より負け数が多かった。
ここ3年間は、修正能力を発揮し好成績を残している。
以前は立ち上がりが悪いと、立て直せない事が多く、ただ、がむしゃらに投げている感じだった。
これは、メジャー球団としても大きな魅力だと思われている。メジャーでも左腕で160キロ近い直球を投げられる投手は希少であり、27歳という若さが期待の要因に挙げられている。
ポスティングシステム:プロ野球選手が海外フリーエージェント(FA)資格取得前に米球界に移籍できる制度。今年のオフからは選手が結んだ契約の総額に応じて日本球団への譲渡金の額を決める方式に変更され、例えば契約総額が2500万ドル(約27億5000万円)以下なら譲渡金はその20%。契約総額が1億ドル(約110億円)なら、譲渡金は約1700万ドル(約18億7000万円)になる。申請開始時期も短縮され、11月1日から12月5日に手続きを行い、その後30日間の交渉期間に入る。
菊池雄星も、きっと上記の制度を使って、メジャーに行くことだろう。契約金は約55億円程度、西武球団は10億円以上を手にする事になる。
ここ3年間は、安定した成績を残してきたものの、元々左肩の故障を抱えている。そして、日本では何のタイトルも取っていない。コントロールが悪い。本当の実力が伴ったと言えるのか?不安材料が多いことは確かだ。
しかし、左腕で158キロというスピード!
スライダーの切れが良い。メジャーでも2番手のローテーションに入れるのではないか、と肯定する意見も多い。
プロ入り6年間は全然目立った成績を残せなかったが、2016年からの3年間の活躍は素晴らしい。ここで賛否両論に分かれるのだろう。
スカウトの評価は高いと言っても、これは駆け引きの一環と見ていて置いた方が無難だと思う。謂わば社交辞令だ。あわよくば安く入団させたいという魂胆は見え見えだ。真に受けない方が良い。
左腕で158キロのストレート!キレのあるスライダー!
これが投げられれば、メジャーの打者でも対応するまでに時間がかかることだろう。
修正能力も身に着けて四球数も減ったことだから、メジャーの環境に早く適応出来れば、好成績を残せるかも知れない。
しかし、メジャーのマウンドの硬さ、滑りやすいボールということに早く対応できないと、元々左肩の故障持ちだし、大谷翔平や田中将大が陥った様に肘まで痛める可能性が高まる。
勝負は下駄を預けるまで分からない。若い内に困難な事に挑戦することは素晴らしい。是非とも応援したい所だが、不安材料が多過ぎる。私見としては、もう少し縦の変化のあるボールとチェンジアップを多用しないとメジャーでは通用しないのではないかと思う。
先発として初年度から活躍するのは難しいだろう。日本では左腕でこれだけのスピードボールを投げられるピッチャーが少ないため、まだ力で押すピッチングをすることができた。
しかしメジャーで菊池投手レベルのサウスポーなどいくらでも存在している。30歳前の左投手が不足していると言っても、これという絶対のウィニングショットを持っているとは言い難い菊池投手が、初年度からメジャーで活躍することは、多分難しいと思われる。
スカウトとしては移籍金を抑えられれば欲しい存在だが、松坂大輔投手・ダルビッシュ有投手・大谷翔平投手らのように熾烈な争奪戦にまでなることは想像しにくい。
最も懸念されることは、菊池投手はコンディショニング不良が非常に多いということだ。
肩痛や肩のコンディション不良はもちろん、日本では2試合連続で脇腹をつっているようだ。つっているだけならまだいいのだが、脇腹というのは筋肉が少ないため、一度痛めてしまうと癖になりやすいため、慎重な調整が欠かせない。
やはり、不安材料が多い。心配だなぁ。