今年1月12日に放送された『人志松本のすべらない話』にて、自身の容姿が呼び寄せた悲しくも可笑しいエピソードを披露し、見事MVSに輝いたお笑いコンビ・アインシュタインの稲田直樹。人として力強く生き抜くには何が必要なのか、ヒントを探ってみる。
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『人志松本のすべらない話』(ひとしまつもとのすべらないはなし)とは、フジテレビ系列で不定期放送されているトークバラエティ番組であり、ダウンタウンの松本人志の冠番組である。2004年12月28日放送開始。略称は『すべらない話』
『MVS』とは、このテレビ番組『人志松本のすべらない話ザ・ゴールデン』で使われる用語であり、Most Valuable SUBERANAI-HANASHI(最優秀すべらない話)の略のことを指す。
よしもとが毎年行う「ブサイク芸人ランキング」では3年連続1位となり、圧倒的な強さで殿堂入り。ベテラン芸人・今くるよをして、その姿に「よしもとの宝」とうならせ、周囲の芸人から「ブサイク芸人の歴史を終わせる」と形容されるほどの顔面のインパクトを持つ男だ。
昨年にはドラマ「ちょうどいいブスのススメ」が、タイトルが乱暴だと炎上した出来事があるなど、容姿にまつわる話題がセンシティブになっている中、鮮やかにネタに昇華し続ける稲田から「前向きにいられる」理由を探る。
アインシュタイン稲田から学ぶ“鈍感力”~「コンプレックスではなく『個性』だと思っていた」という稲田の話には人として力強く生き抜くためには何が必要なのか、大きなヒントが潜んでいる。
エレベーターの中でキメ顔を見せる稲田~これはいける。
知らない子どもから「あいつ見たことある!」と言われた少年時代があるという稲田。
1984年12月28日、大阪府四條畷市に生まれた。現在34歳。幼いころから周囲よりも少しだけ“あごがしゃくれて”いたが、容姿について話題にされることは少なかったという。
写真:子供時代
一番の特徴でもある「よしもとの宝」とも称される尖った顎。
稲田直樹はインスタグラムに「幼い頃は出てなかった」と写真をアップしている。成長とともにあの特徴的な顎が形成されたようである。
そして、稲田直樹の紫色だと言われる肌は、アトピー性皮膚炎によるもの。
程度によるが、症状が重い人はアトピーで肌の炎症が繰り返されると色素沈着を起こし、赤黒い色になってしまう。肌が硬そうでヒビが見えるのも、アトピーによる乾燥のせいである。アトピーに悩んでいる人がテレビに出ている稲田直樹を観て、何だか元気づけられると語っていたとか。人間何が幸いするか分からない。
「周りが僕の顔をいじったりせず、優しい人ばかりだったから、自分がそれほど個性的だと思うこともありませんでした。性格もぜんぜん曲がらずに成長できて」
ただ、今思うと本人が「あれ?」と感じた忘れられないエピソードがあるという。
「お母さんと一緒にお出かけしてて、電車の中で学区も違う全く知らない男の子から『あいつ見たことある!』って言われたことがあるんですよ。そのときは『なんでやろ』って感じでしたが、今思うと、一度見たら忘れられない珍しい顔だったんでしょうね。知らない人から顔を指されることは子供のころからちょいちょいありました」
●ヘアスタイルを奇抜にしたら教師に「いじめられた」と心配される
性格はおとなしく、少年時代は穏やかな日々を過ごしていた稲田。しかし、高校2年の終わりごろに転機が訪れる。当時、FUJIWARAや2丁拳銃が出演していたバラエティ番組『吉本超合金』が流行っており、“お笑いのノリ”に憧れを抱くようになった。それと同時に、ちょっとやんちゃな友人たちと仲良くなり、「ボケ」「ツッコミ」や「調子乗り」を繰り広げるようになったそうだ。
「ある日、『みんないじってくるやろうな~』とワクワクしながら、頭のてっぺんだけ髪を残したヘアスタイルで登校したことがあったんですよ。案の定、生活指導室に呼び出されて、『めっちゃ怒られるんやろな』と思ったら、先生が真剣な顔をして『ノーと言えるようにならないといけないよ』って諭してきて(笑)。
必死に『自分でやったんですよ』って信じてもらえず、先生からしたら僕のような子がそういうことをすることが受け入れられなかったんでしょうね」
停学処分になってもおかしくないようなことをしてきたが、その見た目や明るい性格から「稲田はほかの生徒からやらされている可能性がある」という教師たちの見解により、咎められることがなかった。
「青春の1ページとして停学処分になることに対してちょっと憧れもあったんですよ。僕は怒られたいのに、なんで大人はこんなにも僕を守るんだろうと不思議でしたね」
当時、稲田がお笑いのほかにも憧れていた人がいる。それが現在もファンを公言するロックバンド・L’Arc-en-Ciel(ラルクアンシエル)だ。
「自分の部屋の窓から、よく月が見えていたんですよ。そんな日は、『明日起きたらhydeみたいになってますように』と祈るのを習慣にしていました。でも、朝起きてもやっぱり“稲田”なんです。『なんでまた稲田やねん!』ってなって、めっちゃしんどかったです(笑)」
hydeのような“美形代表”を常に憧れにしてきたのが、ポジティブでいられる秘訣なのだろうか。余談だが、稲田は現在の地位を築いたあとにも、L’Arc-en-Cielのライブを訪れたことがある。そこで気分が高揚して自身の隣にいたギャルに「このあとご飯行きませんか」と調子に乗って声をかけたが「hyde見た後にこれはないわ!」とバッサリ断られたそうだ。
今後の活躍が期待されている芸人アインシュタイン。初めて見る人は、特に稲田の印象強いルックスに目が惹かれる。それは、普通に言って気になって仕方ない存在だろう。
稲田直樹はR-1グランプリで決勝進出する実力もあり、お笑いファンからは熱く支持されている存在!アインシュタイン稲田の人気の替え歌ネタなどについて紹介。
アキナ・和牛・アインシュタインの バツウケテイナー 毎週火曜日 22時~22時30分 放送中!
バツをウケるロケをかけて戦う3組のエンターテイナー!
「アキナ」「和牛」「アインシュタイン」の3組の中から、一番お客さんに受けていなかった1組が必ず最後に罰を受けて笑いをとる、前代未聞の罰ゲームエンターテイメント番組!
下記の局でも放送中!*放送時間が変更される場合があります。詳細は各局のHPにてご確認ください
STV(札幌テレビ 火曜26:04~)
TOKYO MX(MX2 日曜12:30~)
CTC(千葉テレビ 木曜24:30~)
TVQ(九州放送 火曜25:00~)
STS(サガテレビ 金曜25:55~26:25)
3月26日(火)放送内容
観覧案内
公開収録は、毎月第3木曜日に行っています!
公開収録の観覧応募につきましては、チケットよしもとHPへお問い合わせ下さい。
アインシュタインの稲田直樹といえば、替え歌が面白いと注目されている。披露しているのは、サンテレビの『バツウケテイナー』という番組。
バツウケテイナーの替え歌ロワイヤルという企画での稲田の替え歌が「音に言葉をはめるのも上手いし、選曲のセンスも良い」と大人気。
替え歌で使われているのは、Mステのオープニングに流れる誰もが聞いたことのあるあの曲。
Twitterでは「MステでCMいくたび稲田さんの替え歌思い出す」「稲田さんの替え歌にハマった」と夢中になる人が続出。
彼女がいたときの失恋の替え歌なのですが、実体験なのか気になるところ。今現在は稲田直樹に彼女がいるという情報はない。
GYAOで見逃し配信、ベストセレクションDVDが発売されている。興味のある方はぜひ、チェックしてみてください。(DVD:アキナ・和牛・アインシュタインのバツウケテイナー)
よしもとには、ホント面白い芸人ばかりが集まって来るね。
呆れるほど可笑しく、面白い。
「『夢を追う』ってことに憧れを持っていました。このままで一生終えるのではなくて、なにかしてみたい。それで吉本に入りました」
当初は、現在の芸風とは違い、ネタの中で顔をいじることは全くなかったという。その理由は「単純に気付いてなかった」から。そんな自身を「鈍感なのかな……」と振り返る。
「芸人始めたばかりのときは、自覚が足りなかったんでしょうね。『ちょっと個性的かな』とは思っていたぐらいで。自分が感じている以上に、先輩がめっちゃいじってくるようになって、やっと認識しました。その後ライブのつかみで初めて『顔、捨てたろか!』って言ったとき、気持ちいいくらいウケたんですよ。『あ、お客さん、これ言ってほしかったんや』って、はじめてわかって(笑)」
自身の顔のユニークさに気づき始めたことで、芸風も自身の容姿いじりが多くなり、人気も知名度も上昇。だが、いくら芸人という職業とはいえ、言われすぎて疲弊することはないのか。
「これまで自分の顔は、コンプレックスじゃなく『個性』と思っていて。いじられても『イヤなこと』ではなかったんです。むしろ見た目の良し悪しよりも、人のことを悪く言う人、いわゆる“性格ブス”の人のほうが軽蔑しちゃいますね」
稲田の顔が個性的なだけだったら、現在の人気はなかったかもしれない。彼の「素直な性格」に加え、人がコンプレックスに思うことを意に介さない「鈍感力」があったからこその立ち位置だろう。今後、東京進出もささやかれるが最後に芸人としてのビジョンを聞いたところ、臆することなくこう語った。
「芸人として、賞レースで結果を出すことや、冠番組を持つことはもちろん目標の一つとしてあるんですが、当然のことで『これだ!』というものがなかったんです。でも最近結論が出ました。目標は、“L’Arc~en~Cielさんが面白いと言ってくれる芸人になること”です。僕にとっては『M-1』優勝の、さらに向こうにある、大事なことのような気がしています」と語る。
今後に期待を賭けてみよう。