天皇陛下の譲位により、今年のゴールデンウイーク(GW)は10連休になる。
2019年(平成31)年4月30日の天皇陛下の譲位に伴い、皇太子さまが即位され、改元される5月1日は「祝日」に。新聞やニュース等では歓迎する声が多い反面、子育て世帯は戦々恐々の模様。何の手当もせずに、元号が変わるだけのことで10連休にした意義があったのか?
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内閣府によると、来年は皇太子さまが即位する5月1日を祝日とするため、4月27日から5月6日までは10連休となる。10連休は祝日法が定められた1948年以降、最長とみられるという。
4月27日(土曜日)から始まる今春GWは10連休。
さて異例の長期休暇は、どんな影響が出て来るのか。ちょっと考えてみた。
まず保育所・幼稚園・学校・病院は休みになるけど、本当にこれで大丈夫なの?
前提として抑えておかなければならないのは、10連休の仕組み。4月27日から5月6日までを10連休とする内容。初日だけが土曜日、残りの9日間は全て休日扱い。
この間、保育所(27日を除く)・幼稚園・学校等は原則として全てお休み。9-10日間、子供がずっと家庭で過ごす事になる。3連休でも大騒ぎなのに、9-10日間となるとゾッとしている家庭が多いのでは?
4月から新しく保育所・幼稚園・学校等へ入園・入学した児童にとって、GWは一つの鬼門らしい。1カ月経過して身についた習慣等がリセットされてしまうから。
例えば保育所に入園した直後は泣いてばかりだった子供も、4月下旬には園生活や保育士に慣れてくる頃。
しかし、GWに突入して父母とべったりする毎日が続いてしまい、GW明けの保育所では再び泣き叫ぶ子供が少なくないという。
学校も同じとか。机に座って勉強する毎日に慣れてきた頃に連休が始まり、学習習慣等を忘れてしまうという。5月病となる子供も出て来るとか。
また、学力低下に悩む学校などでは、大量の宿題が課されると推測される。課題を作成・採点する先生も大変だが、宿題の山に追われる子供も大変だ。課題を消化しきれない家庭・子供も多く出るのではないか。
ただでさえ子育て世帯にとっては間が悪いGW、しかも今年は10連休。
殆どの保育所は月~土曜日まで開所しているが、休日(日曜日や祝日)も開所しているのは一部の例外のみ。
4月27日(土)は開所するだろうが、残りの9日間は全て休日扱いとなる。保育所は9連休となる公算大。土日に出勤する事が多い家庭では、この間の保育問題が極めて大きな問題となりそうだ。
例年のGWの様に3連休+3連休や4連休であれば、夫婦の勤務スケジュールを調整したり、実家に応援を求めて乗り越えてきた家庭が多いことだろう。
しかし、9日間となると別問題。盆や年末年始以上の難題である。今の所、解決方法が思い付かない家庭が多いのではないか?
認可外保育園・民間預かりやサービスベビッシッターの手配位で間に合うのだろうか?
このままでは、10連休が嬉しい感情だけで収まる家庭は多くないはずだ。
子供が急病になって人の手配がつかずに休職せざるを得ない親も多く出て来るのではないか?家庭にとって死活問題となって来る。何かしら国の対策が必要なはずだ。今の所、国は何の対策も打ち出していない。
多くの市町村の対応が未定で、休日出勤の人件費に国の支援が受けられるか分からない。
これではダメだろう。新天皇の即位の意義が泣こうかというレベルの問題だ。
保育補助加算の制度の創設を急ぐべきだ。出来ないなら、新天皇が即位しても祝日にすべきではない。祝日にしなくとも多くの国民は新天皇の即位を祝福するはずだ。
国は何か意義をはき違えている。
子育て世帯にとって深刻な問題なのは「医療機関の休診」。
多くの医療機関は、休日は休診している。4月27日(土)の次に受診できるのは、5月7日(火)となる。9日間もかかりつけ医の診療を受けられないのは、非常に怖い話だ。
小さな子供は簡単に体調を崩す。多少の発熱であれば自宅でゆっくりと様子を見ることも出来る。しかし、高熱や外傷等、すぐに受診する必要がある症状もある。
急を要する時は急病診療所を受診するしかない。
以前に何度か受診した事があるが、待ち時間の長さや時として窓口職員の態度に閉口した覚えがある。
10連休中は激しく混み合うのは必至のはず。数時間も待たざるを得ない診療所も出て来るのではないか?非常に大きな負担だ。
また、連休明け後の医療機関は非常に混み合うだろう。数時間待ち、下手をすると当日中の診療が出来ない恐れもあり得る。
日本医師会が各医師会にアンケートを行った結果が公表されたが、多くの地域では、通常のGWと同様の体制とする予定としている。
大病院はまだしも、一般的な開業医の多くはカレンダー通りに休業するはず。
子供が連休中に体調を崩したら、それこそ死活問題となりかねない。
救急車の出動だけが増えるのではないか?
旅行大手各社からは、まず歓迎の声が上がった。予想されるのは海外旅行の増加だ。国内旅行も増える事だろう。
しかし、旅費は高騰、観光地は大混雑!これで実際本当に休息が取れたことになるのか?
土日休みの家庭方も深刻な問題を有する。
子供がいる10日間、どうやって過ごせば良いのか。家にいるだけなら兄弟喧嘩が増えるだけではないのか?
海外・国内旅行へ出掛ける計画を立てている余裕のある家庭は良い。
しかし、ただでさえGW中の旅行代金は高騰する。夫婦だけの料金ならまだしも、子供の人数分の旅費等は家計に重くのし掛かってくる。
また、多くの観光地・行楽地が混み合うのは必然のこと。
近所のショッピングモールでさえ食事をするのに何組も待たされる事だろう。
ましてやディズニーランドやユニバーサルスタジオなど何時間待ちになるのか、見当が付かない。だだでさえ、どちらも既に土日は観光客で溢れかえっている。
人気アトラクションは2時間待ちも。10連休中は更に激しく混むことだろう。
親子にとって「待ち時間」は非常にストレスが溜まる。じっとしていられない子供はウロウロしたり泣き始め、その相手で親は疲弊する。アトラクションの順番が回ってくる頃には疲労困憊の状態となる。
「10連休は嬉しくない」という家庭が多いのが現実ではないか?
子供や家庭に掛かる負担が大きすぎる。休日にしなくとも新天皇の即位を祝福できる。
多くの家庭は、せいぜい「数日間実家へ帰省する、ゆっくりする、後は成り行き任せ」と言ったところが多いのではないか?
「10連休の過ごし方ランキング2019」「10連休の過ごし方15選」とか・・・いろいろネットに載っているので調べてみたけど、まったく参考にならない。こちとらも定年退職後、管理人の仕事をしているので、祝日に休んだら休み明けにゴミ置き場がゴミで溢れかえっているだけだ。
管理代行など宛てにならない。依頼して休んでも、要領が分かっていないから休み明けにゴミの後始末に苦労するだけの話だ。せいぜい普段出来ない何かを見つけてストレス発散するしかない。
おまけに、時給やアルバイトで生活する人にとって減給になるだけの休みは辛かろう。
何の手当もせずに、元号が変わるだけで10連休とする。困る人の事は考えていない。
新天皇即位の意義が泣こうかというものだ。
ただの人気取りの思い付きの政策だから、こうなる。
浮世離れした国会議員には庶民の暮らしは分からないらしい。
分かろうともしていない。
財務大臣の放言には、もう開いた口が塞がらない。