建設関係のネットメディアに掲載された「ダムカレーは不謹慎だ」とする記事に、日本ダムカレー協会のツイッターアカウントが2019年2月21日に発言した内容が、ネット上で話題を呼んでいる。
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不謹慎なダムカレー、ビルカレー
「ダムカレー」と呼ばれる、カレーがあるらしい。
ネット検索してみると、ダムカレーとは、お米をダムのように盛りつけ、カレーを貯水池に見立てたカレーで、どうやら民間企業やレストランがPR活動の一環として作成したメニューのようだ。
また、「ビルカレー」というカレーも存在するらしい。
ゼネコンのフジタが、就活生への企業PRの一環として、大学の学食で販売したという。
ビルカレーは、ライスをビル状に盛りつけ、青のりで屋上緑化をイメージ。スプーンはシャベルの形で、なかなかのこだわりだが、個人的にはカレーのルーが意味をなしていないと思われる。
ビルカレーはフジタの広告が敷かれたトレーで、関西大学や広島大学の学生たちに提供されたそうだ。
ダムカレー、ビルカレーという、こうした名称のカレーの存在を知った私は、実に不愉快で、怒りを感じざるを得なかった。不謹慎にも、ほどがあると思った。
悲惨な災害を連想させるダムカレー、ビルカレー
いくら世間でオモシロおかしいPRが流行っているとはいえ、土木技術者、土木施工管理技士として、批判を覚悟で物申したい。
私が不愉快なのは、いくらライスだとはいえ、「ダムを壊して食べる」「ビルを壊して食べる」という事だ。私は大雨土砂災害の復興工事に携わっており、多くの方が亡くなり、構造物が破壊された現場の第一線で働いている。
そんな折に、ちょうど、ダムカレー、ビルカレーという存在を知った。災害復旧の現場は本当に壮絶で、倒壊した家屋やビルを見ると、何ともやるせない気持ちになる。悲惨な災害を連想させる食べ物は、悪ふざけにもほどがある。
被災地の土木屋から見たダムカレー、ビルカレー
もちろん、ダムカレー、ビルカレーを考えた人間に悪気がないのもよくわかる。しかし、このような被災などが続いているこの状況で、あまりにも軽率な行動ではないだろうか。私と同じように、不快な気持ちになった人間は他にも存在する。
こういうカレーを面白がってPRし、面白がって食べている人間を実際に目の前にしたら、私は腹が立ってしかたないだろう。
ダムカレー、ビルカレーをそれでも食べられるか?
私が神経質すぎるという方は、ぜひ一度、被災地を訪れて欲しい。
あの臭い、あの雰囲気、災害から時間は経ったが、まだまだ被害の爪痕は残っている。
その状況を見ても、ダムカレー、ビルカレーを「壊して食べる」ことができるだろうか?私は、いち技術者として、災害復興を担う立場の人間として、どうしても許すことが出来ないのである。
GUCCIの黒人差別と、ダムカレーの土木侮蔑
一つのコンクリート構造物を造るために、われわれは血のにじむような努力を積み重ねている。寒中コンクリート打設などの場合は、凍害を起こさないように、AE剤を用いて施工し、打設が終了しても細かな温度管理を繰り返し、そうやって一つの構造物がやっと完成する。
もし、自分たちが情熱を注いでいるものを、このような形で破壊する、といった表現をされたらどう思うであろうか?
先日、高級ブランドGUCCIのセーターが黒人差別を連想させるとして販売中止となったが、あの事件とも似た不快感を、ダムカレーとビルカレーに感じざるを得ない。
私にとって、ダムカレー、ビルカレーは、施工管理技士に対する侮辱であるとハッキリ言わせてもらう。やめていただきたい!
※編集部注:「施工の神様」は、建設現場の生の声を届けるメディアです。少数派の意見でも貴重な意見として尊重しております。当記事に対するご批判も同様に尊重しておりますので、ご寄稿があれば掲載を拒むものではございません。
…と、まぁ以上の様にかなりヒステリックで一方的な被害者意識の強い批判がツイートされた。
ダムカレー協会は「多くのダムカレーは、過疎化に悩むダム水源地の方々が考えだしたものです。少しでも活気が取り戻せたらという気持ちから誕生しています」と主張。22日16時時点で9200以上リツイートされている。
そもそも「ダムカレー」とは協会公式サイトなどによると、ダムをモチーフにしたカレーのこと。ごはんは堰堤(せきてい)、カレールーは貯水池を表現するもので、2009年ごろから全国的に増えている。特に定義はないが、店の人が「ダムカレー」といえば、「ダムカレー」になる。
そんな「ダムカレー」について19年2月21日、「ダムカレーは不謹慎だ、ふざけるな!被災地の土木屋が大激怒」と題した記事が、建設関係のメディア「施工の神様」で公開された。
大雨土砂災害の復興工事に従事しているという執筆者は記事で、「ダムカレー」や「ビルカレー」の存在を知り、怒りを感じたと激しく主張した。
「批判を覚悟で物申したい」と前置きしたうえで、「ダム」や「ビル」を壊して食べることが悲惨な災害を連想させるなどと批判。被災などが続く状況では軽率な行動ではないかと疑問を投げかけ、カレーを面白がってPRしたり食べたりしている人を目にしたら、腹が立つなどと切り捨てた。執筆者たちは日々血のにじむような努力を積み重ねていることもあり、どうしても許せない「施工管理技士に対する侮辱」だと表現している。
この記事に対し、日本ダムカレー協会が21日11時40分ごろ、ツイッターを更新し、「多くのダムカレーは、過疎化に悩むダム水源地の方々が考えだしたものです。ダムカレーで、少しでも活気が取り戻せたらという気持ちから誕生しています」と発言。
投稿には「不謹慎とかあり得ない。下らない意見に耳を貸す必要ないですよ」「ダムカレーは悪くないと思う!! 」など賛同を示すリプライが相次いだ。
J-CASTニュース編集部では22日、日本ダムカレー協会を主宰する宮島咲さんに電話取材した。
宮島さんは東京都墨田区の料亭「割烹三州家(かっぽうさんしゅうや)」の「ダム事業部長」として、ダムカレーの調理などをしている。
2007年に宮島さんの店のダムカレーがテレビで取り上げられたのを契機に、ダム周辺にあるレストランの関係者が「やってみよう」と始め、全国的に増え始めていったという。
宮島さんは記事を発見した経緯について、「ダムカレー協会の者として、毎日ネットであふれかえる『ダムカレー』という言葉をチェックしており、21日朝に発見した」と明かした。
「災害で被災されて苦しんでいる方の気持ちも非常にわかるが、ダムカレーは過疎化に悩む水源地、ダムで自分の土地を追われた人が、なんとか自分の土地をもう一回盛り上げようとして心を込めてつくったアイテム」だと説明し、「頭ごなしに『ダムカレーは不謹慎だ』というのは、住んでいる方やダムで追われた方を否定することにつながりかねない」と反論。
「地方でがんばっている飲食店が『少しでも町を盛り上げよう』と考えたダムカレーを否定されることにかちんときますよね」と語気を強めた。
「おまけにダムカレーを食べに来て、ダムを見て、『ダムってすごいんだ、土木はすごいんだ』と思ってくれる人も多いわけですよ。(書いた人は)それすら否定することになってしまうんじゃないか」と反論する。
両者の意見を比べて見ると、やはり「施工の神様」に掲載されたツイッターの方が、かなり偏向的で一方的な批判を展開している感がする。
かなり独善的で被害者意識が強い。
考え過ぎではないか?
「この人、これで大丈夫なのかな?」と心配になって来た。
ここ迄、ひがまなくても良いのではないかと他人の意見ながら少々呆れた。世の中には実に色々な見方、考え方をする人がいるものだ。
このご仁の考え方にはちょっと驚かされたというより、正直かなり驚かされた。
被災地での復旧活動に精進されたいと願っています。
それしか言いようがありません。
誰も施工管理技士の方々を尊敬こそすれ、侮辱などしていないですよ。