2月3日から横浜港に停泊し、検疫中の大型豪華客船・クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」。厚生労働省は10日、乗客と乗員およそ3700人のうち、新たに65人の感染が確認されたと発表。これで、新型コロナウイルス(中国湖北省武漢市で発生)に集団感染した人の数はクルーズ船乗客を含めると135人に登った。驚くべき数字だ。船内では既にアウトブレイクが始まっていると考えるべきだと思う。
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9日までにのべ336人を検査し、70人が陽性となっていたが、さらに体調不良を訴えたり、感染者と濃厚接触があったりした人の検査を順次実施した結果、10日になって感染者が膨らんだという。
厚生労働省は感染が確認された人から下船させ、医療機関に入院させる方針。
菅義偉官房長官は10日の記者会見で、乗員・乗客全員に対するウイルス検査について「現状では厳しいものがある」とし、「発熱などの症状が出ている人や、高齢の方を中心に先行して検査したい」と語っている。
仕方がないことだが、急がないと危うい。今はもう即刻全員にウイルス検査をするべきだ。
135人という数字は極めて異常だ。感染者から順次、医療機関に搬送されるというが・・・。
ウイルス検査を急がないと、船内で待機する残り約3600人が危うい。当初は発熱やせきの症状がある人(有症者)と有症者と長時間行動を行動を共にした人(濃厚接触者)ら計273人についてウイルス検査を先行実施したのは分かる。分かるが今はもうそんなことを言っている時期ではない。
9日に感染が判明した6人中、5人が乗員。乗客のいるいる個室に食事を届けるなどの仕事をしていた可能性があるらしい。「乗客に感染が広がることは一切していない」というが、分かったものではない。
中国では11日、死者は前日より108人増えて1016人に達したという。死者が前日より100人以上増えたのは初めてだという。極めて深刻な事態だ。クルーズ船内は中国本土と同じ状態ではないのか?
中国武漢市で8日に死亡した60代の日本人男性は、新型コロナウイルスに感染していた。
この人が日本人として、初めての死亡者である。
中国国内では、10日までに27人の外国人が新型ウイルスによる肺炎に罹患(りかん)し、この日本人と、米国人の計2人が亡くなったと発表。
日本でのアウトブレイクを防ぐには、とりあえず横浜に入港した「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客・乗員全員の上陸を阻止し、ウイルス検査を徹底するしかないだろう。
検査結果が判明し、コロナウイルスの潜伏期間とみられる19日までは何としても、上陸を希望したとしても簡単に日本上陸を許可する訳にはいかない。
しかし、高齢者が多く、持病で体調を崩す人が続出。持病の薬が不足している状態では船内に待機させるのは命取りになりかねない。体調不良の人はもう下船させ、医療機関に入院し、そこでウイルス検査を実施するしかあるまい。
ウイルスの検査機関の能力に限界があるのはわかるが、国際的な人権問題に発展しかねない。
船内隔離で、かなりの人がストレスを高めている。高齢者にはストレス自体が危険だ。免疫力も高くない。
血圧が上がれば、脳梗塞や心筋梗塞の心配までもしなければならない。
硬直した考えでは、中国発の新型肺炎(疫病)に対処するのは不可能だろう。
2013年に大流行したSARSは香港で治療に当たっていた医師が宿泊したホテルから感染が拡大したとみられれている。罹患者の2割が医療従事者であり、一番感染の恐れが高い。
クルーズ船は、いわば「動くホテル」である。
ここから、アウトブレイクする恐れは極めて高い
いや、もうすでに残り約3600人の乗客・乗員の内、かなりの人が集団感染しているのでは?
その確率は、かなり高いはず。
残酷な言い方であるが、
誤解を恐れずに敢えて言うと、船内では既にアウトブレイクが始まっているはず!
135人の内、5人が乗員だったというのが、ショックだ。
密閉された空間で長時間、近距離で生活していれば、飛沫感染だけでは済まない。
ドアノブやトイレで必ず接触感染しているはず。
今後は乗客・乗員に、手洗いやマスクの付け外しが適切かの意識を徹底させ、殺菌消毒を施すのを徹底しないと感染拡大は防げない。
発症化・重篤化していないだけで、感染者はかなりの数にのぼっているはず。
そう覚悟を決めて対処するしか解決の途はあるまい。
船内隔離で日本国でのアウトブレイクはまず起こらない、防げる。
しかし、船内での感染はより高まってしまうのでは?
まだ証明された訳ではないが、飛沫感染する粒子より更に細かい粒子による「エアロゾル感染」さえ噂されている。いくら個室をあたがって封じ込めても、すでに感染していれば時すでに遅し。
乗客・乗員間で感染しあう悪しき究極の空気感染かぁ~、嫌だな、罪作りですよ。
ましてや、外気に触れることのない船内ではその危険性がより高まるのでは?
日本人乗客にさえ、正確な情報が伝わっていないようだ。
船内では1日数回、日本語と英語で放送があるが、情報量は多くないという。
日本語が理解できない外国人の方々は、より一層不安なはずだ。
何でもない人にとっては船内感染が一番怖いはずだ。
なぜ、正確な情報を伝えないのか?
隠蔽している訳ではないだろうが、1日数回では絶対量が少な過ぎる!
感染者が無自覚のまま感染拡大させてしまうのが一番怖い。
これが、アウトブレイクの最大原因。
個室に閉じ込めるだけではダメなのだ。
外気に触れない船内が返って危険なのでは?
アウトブレイクさせないためにも、正確な情報提供が欠かせない。
感染の恐れが高い人には、必要絶対条件なのだ。
船内では既にアウトブレイクが始まっていると認識すべきで、乗客・乗員の全員にその意識を徹底すべき時期に来ていると思われる。
直ちに全員にウイルス検査を実施出来ないなら、体調不良の高齢者は下船し、医療機関に入院させ、そこでウイルス検査を待つべきだ。
クルーズ船は盲点だったと思える。SARSの時には大型豪華客船が問題になどなっただろうか?
記憶にない。
バスや電車や飛行機には注意をしていても、クルーズ船までは考えが及ばなかったようだ。
公共の乗り物にだけ注意を払っていても、アウトブレイクを阻止出来ない。
理想を言えば、乗客・乗員とも全員、専門の病院に隔離し、治療に専念させるべきなのだ。
これからでも遅くない。
東京湾の埋め立て地の一角に、こういう感染の恐れの高い人を収容する施設建設を急ぐべきなのだ。
民間のホテルを使用し、好意に甘えているばかりでは、とてもこの先の対処は覚束ない。
政府の考え・対応が甘いと言わざるを得ない。
多分、これからも中国発の疫病の大発生は起こり得る。
日本政府・日本人も、その覚悟を決めて危機に臨むしかない。
インバウンドで外貨を多く獲得したいなら、中国発・正体不明・疫病阻止対策は欠かせない。
観光客が中国頼みでは、その達成はまったく覚束ない。
追 記
経済的には、観光や外食産業が中国客激減により1~2兆円の損害を被り、春闘は賃金アップなど期待できなくなる。GDPさえ低下するはず。だが、ここで官民挙げて「脱中国化」を真剣に考えないと、虎視眈々と東シナ海への海洋進出を狙っている覇権大国・中国にいずれ対抗できなくなる。
トランプ政権下で、アメリカが日本を含む東南アジアを最後まで守ってくれる保証はないのだから、中国につけ入る隙を見せてはならない。
中国に依存し過ぎてはいけない。