平成29年7月27日(木)夕方になり、母が入院させてくれと泣きついてきた。
すぐ訪問診療してくれている港区の病院へ電話を入れたが、今ベッドが空いていないと言う。
担当の医師も5時半まで帰れないと言う。
薬を飲ませて今日はもう我慢させるしかない。
どうして訪問診療の時は「入院は嫌だ!」などと言って医師に本当の事を言わないのか、理解に苦しむ。
最近、おかしかった。
朝、起きてくると「苦しい、気持ちが悪い」と言いながらトイレに何回も行っていた。
それでも間に合わず、紙おむつに漏らしてしまっていた。
そういう事を訪問診療の時、医師に告げていたのに「入院は嫌だ!」と逃げていた。
いよいよ苦しくなって我慢できなくなったのだろう。
翌日、朝一でタクシーに乗せ病院に連れて行った。
介護タクシーなど頼んでいる暇はない。
即、入院となった。
昨日、ベッドが空いていないと言っていたのに・・・
まあ、とにかく入院できて良かった。
又、差額ベッド代に泣かされることになるが仕方がない。
もっと早く調子がおかしい時に入院していれば、こんなに苦しまずに済んだのに・・・と思いながら一旦帰宅する。
差額ベッド代がかかる部屋は「預り金」も多額になる。
郵便局で20万円を下ろし、再び病院の窓口に行き手続きを終える。
病室に行き、母の様子を見ると又「苦しい、気持ちが悪い」と言っている。
どうも脱水症状ではないみたいだ。
今までとは明らかに違う。
しかし、検査結果が出るまでは医師も治療はしてくれない。
仕方がないので母に「頑張れ!」とだけ言って帰って来た。
入院した翌日の夕方、担当医と面談した。
医師はレントゲン写真とCTスキャンの画面を指さしながら、「右胸に水が溜まっているようです。」と説明してくれた。
確かに右胸の肺はほとんど真っ白になっていた。
やはり脱水症状ではなかった。
胸に水が溜まっていたのか!
それで呼吸が出来なくなり「苦しい、苦しい」と言っていたのか・・・
医師も「苦しい、気持ちが悪い」と言っているのはこれが原因ではないかと思われますと説明してくれた。
胸から水が抜ける薬を飲ませながら様子を見ましょうと言う。
そして、又、「老人性うつ」の症状も見られる。
好不調の波が激し過ぎると言う。
これは昨日、今日始まった事ではないので別段驚きもしなかった。
「早く逝きたい」「生きててもしょうがない」は母の口癖だ!
うつでも何でもない。
医師にそう告げると苦笑いをしていた。
鬱の苦しさなど母にはない。
これは自分の経験からはっきり言える。
2~3日して母を見舞うともう退院したがっていた。
冗談じゃない!
「振り回されるこっちの身になって考えてみろ」と怒鳴ってやりたかった。
喉元過ぎれば何とやらで・・・もう開いた口が塞がらない。
「どんなでも一週間は無理だよ。」と言って散髪の手配をして帰って来た。
2日後、担当医に会ったのでその事を告げると「退院は当分無理だと思います」と言われた。
当然と言えば当然だな!
話すだけこちらが野暮だった。
ソーシャルワーカーの担当者に会って、差額のかからない部屋への転室を早めにしてくれとお願いして来た。
3日後、担当医に又会えたので妻と一緒に話を聞いた。
「どんなでも1ヶ月の入院は必要です」と医師は言う。
こちらも正直に話した。
差額ベッド代で破産する。
早めに6人部屋に転室させてほしいと・・・
この頃からか、母を埼玉の老人ホームにでも入所させようかとの話が出始めたのは・・・
もう、正直言って母の面倒を見るのに疲れた!
泣き言を言う訳ではないが、「この人の面倒を見ていると自分の身がもう持たない」と妻にはっきり言った。