ヤフーニュースを最初に見た時、「へぇ~」というのが率直な感想でした。新聞記者が取材をする時、暴力行為に及ぶのか。これは自殺行為では?…と、しかし、東京新聞が4日の朝刊で、社会部の40代の男性記者が厚生労働省の職員を取材中、机をたたいて怒鳴るなど暴力的な行為をして、職員に心理的な負荷をかけたから、厚労省に謝罪する文書を出したというのです。にわかには信じられませんでした。いかにもネトウヨが喜びそうな記事ですし、どんな記者が、どんな記事を書くために、どんなことをしたのだろうか?安倍元総理や菅義偉現総理の天敵とも言えそうな望月衣塑子記者と比べてどういう人物なのか、素朴な疑問に駆られて調べてみました。
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東京新聞によると、記者は新型コロナウイルス対策として、政府が全世帯に配布したマスクの単価や規格決定の経緯を調べるため、厚労省に情報公開請求した。不開示とされたことを受け、担当部署の職員に8~9月に2度取材した。このうち9月4日の取材は3時間45分に及んだ。加古陽治編集局次長は「職員の方々を傷つけたことを深くおわびします」としている。
これが本当だとしたら、まずあり得ない行為ですね。取材の過程でいくら熱を帯びたからと言って、40代の分別盛りの人間が、しかも新聞記者が…執務中の職員に3時間45分もの取材行為に及ぶものでしょうか。
これだけでも異常ですね。しかし、厚労省の職員もなぜ、途中で拒絶出来なかったのでしょうか。こちらも甚だ疑問です。8月と9月の2回も取材を受けたこと。それぞれ2人の担当者が対応したこと、両方に出席した者がいますので、合計すると3人になるそうなのですが…。
2回とも取材時間は「3~4時間」(厚労省)と、非常に長いものだったというのです。最初の1回目で抗議すべきだったと思うのですが…。
「長時間の取材で、記者の方は大声で担当者を怒鳴ったり、机を叩いたり、担当者が持つ資料を奪おうとしたりと、常識では考えられない行為がありました」(厚労省)
デイリー新潮の記事には異常な行為と記されていましたが、本当に事実なら誰でもそう思います。長時間の取材に担当者は困惑し、精神的に疲れ果てて、医療機関を受診するほどの健康被害を受けたというのです。
厚労省は、担当職員の具体的な症状については回答できないとしてるらしいのですが、多分精神的なものでしょう。担当者の健康に問題が出なかったとしても、厚労省側は抗議を行ったと答えているそうです。
厚労省は東京新聞の局長宛に抗議文を送り、『厚労省における取材活動を控えていただきたい』と要請したそうです。
取材中の行為自体が問題だ…「怒鳴りつけ、机を叩き、資料を奪おうと…」これらは確かに暴力的行為ー脅迫ですから、マスコミに携わる人間が取材の過程で決して許される行為ではないですね。
私はそれ以前に長時間に渡る取材行為自体がNGだと思いますが…。
「ペンは剣よりも強し」という名言…「言葉は暴力より勝る」という意味を噛みしめるべきだったかと…もっともこの名言も、もともとは言語表現の巧みさや、勇気ある発言を称える言葉ではなかったらしいのですが…。
デイリー新潮の記事によると、中澤誠記者は、過労死問題について精力的な取材・執筆を続けてきた人らしいですね。例えば2016年11月29日の「記者の眼」では、「電通新入社員の過労自殺 中沢誠 職場の劣化が人権奪う」という署名記事を執筆しているとか。
筆力が買われ、複数の書籍を上梓しています。14年、東京新聞の同僚記者皆川氏と共著で『検証 ワタミ過労自殺』(岩波書店)を、翌15年は単著で『ルポ 過労社会:八時間労働は岩盤規制か』(ちくま新書)を出版。
また19年には、著者名を「東京新聞社会部」とする『兵器を買わされる日本』が文春新書から発売された。サイト「文藝春秋BOOKS」には具体的な取材・執筆者として、5人の記者名が記載されていますが、その中に中村誠記者の名前が記されています。望月衣塑子記者の名も当然に…。
最近では、築地移転に関する著述もあり、東京新聞のスター記者らしいです。
訴えられて、アベノマスクにかかった費用が明らかになる方が返って好都合だと思いますが…。
国民の知る権利を盾に、暴力的取材を行ったのはどうやら事実のようです。アベノマスクの異常さを追及する過程の中で、どうしてベテランの東京新聞の中沢記者がこのような取材をしたのか。ただ、厚労省の発表を鵜呑みにしては片手落ちになります。
厚労省の対応が適切なものだったのか、…の検証もありません。中央官庁が時の政権に忖度しているのは明らかな事であり、日常茶飯事の事ではありませんか!
このヤフーニュースだけでは真実が伝わっていないと思います。権力に中央官庁が迎合しているのは誰の目にも明らかなのですから、…記者が焦って記事にする必要はなかったのに、なぜかという疑問だけが…。
確かにちょっと謹慎させて、すぐ第一線に復帰させるのでは困りものです。こういう所は改めないと…しかし、どうして正式なルートを通じて粘り強い取材を行わなかったのか、甚だ疑問です。
朝日新聞や東京新聞が叩かれると喜ぶ連中に与する気はありません。しかし、これはマスメディアの自殺行為として猛省すべき事件だと思います。ネトウヨはここぞとばかりに叩きに来ますから、自戒すべきかと…。一編の謝罪記事ではなく、今後どうするべきなのか、良く考えて頂きたい。
事実関係をもっと知らせてほしい。マスゴミか…?言われても仕方がない程、権力に迎合している新聞もありますから、安倍政権や菅政権の陰湿さを報じない様なマスメディアでは国民の知る権利など守られるはずがありません。パンケーキを食する懇談会に出席するマスコミが異常なのだ。
新聞記者がスター気取りで良い訳ありませんが、何様の積りでいるわけでもないと思います。ツイッターでここぞとばかりに叩く連中の気持ちが良く分かりませんね。ただ、正攻法の取材ではなかった!ここが、確かに引っかかる…?
ちょっとガッカリな事件でした。当分はからかわれるでしょうね。厚労省が被害届を出して、脅迫行為をした新聞記者が逮捕される様な事態になる事が一番望ましい解決策だなどと指摘するツイッターも見受けられましたが、逮捕されるほどの事件である訳がない。
事を荒立てて、マスコミと権力が鋭く対立する図柄が国民にとって一番利益になるのだったら誰も苦労はしません。先入観だけで論じては真実を見誤りと思います。官庁の対応が可笑しいのは日常茶飯事で、新聞記者でなくても誰でも怒り出すようなケースは良くあると思われます。
ここまでツイッターで書かれて黙っているのは、かえって可笑しいですよ。断固、反論すべきです。こんなことにいちいち社長がかかずらわっているものか、と…。いや、してたりして…? 国民の知る権利が、大部後退するだけか…という…ジレンマが…??