分からないものですね。安倍首相が辞任を表明した途端に「なんだかんだ安倍さん頑張った」みたいな優しい声に世論はすっかり変わりました。この変化が一連の流れを後押しする事でしょう。共同通信社の世論調査では辞任前36%だった【支持率】がいきなり20ポイント以上あがり、56.9%になったそうな…。日本人は悪いことも何もかも水に流しすぎるのではと思われます。ついこの間まで「安倍辞めろ」の大合唱はどこへ消えたのか。自民党の総裁選は三つ巴の様相を呈していますが、主要派閥を押さえた菅氏がリードのまま必ず勝利することでしょう。はっきり言って出来レースです!自民党新総裁に決定後は、9月中に召集される臨時国会での首相指名選挙で菅新総裁が新首相に選出されるのは明白です。問題はその後で、今回の総裁選は安倍総裁の辞任による実施なので、任期は安倍氏の残余期間である来年9月までの約1年(総裁任期は3年)のみ。「安倍政権をそのまま踏襲する」との菅政権ですが、この間に解散総選挙を打たないと任期満了が迫ってきてしまいます。1年間黙々とただ任期を全うするとは思えません。高支持率を勝機とみた菅新首相が、いつ強気に出て、解散・総選挙を打つのか…。そら恐ろしいことですが、推測してみました。
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本当に支持者が増えたのか、そこが分からず「不思議な現象ですね」としか言いようがありません。すべて出来レースだったと分かっているのですが、そうは思わせない所が自民党の老獪としか言いようのない談合政治が…幅を利かせているとしか…証拠が。
日本国民の忘れやすいという性格が見事に表れたのが、今回の支持率アップという現象なのではないでしょうか。老獪な連中がこの現象を逆手に取らない訳がないと思われます。
自民党にあって常々、安倍晋三を批判してきた「石破茂にだけは何としても政権の座を明け渡したくない」という安倍氏の執念がすきま風の吹いていた「安倍ー菅」二人の間を再度結びつけたのでしょう。何もかも出来レースでした。
政権をたらい回しにして幹事長の座に居座り続けたい、長老二階俊博の思惑も見事に実現しそうです。派閥が密室政治が…延々と続くのです。自民党はまったく変わっていません。利権…中抜き。
そして、それを良しとする日本国民が大多数なのでしょうか。しかし、マスコミの世論調査は正確に出して頂きたい。少なくとも【世論操作】だけはしてほしくない。一国民の切なる願いですが。
自民党総裁選(8日告示―14日投開票)の結果など実施する前から判明している訳です。白けますね。分かっていて延々と報道を垂れ流すマスコミの姿勢にも…社説をもっと掲げて、どういう立場を支持するのか、鮮明に打ち出して頂きたい。節操がなさすぎる感が…。
安倍政権をそのまま踏襲すると言っても、どこまで踏襲するのでしょうか。
恐らく、支持率が上がったことを奇貨として新首相に就任後、早々に解散・総選挙という手段に打って出るのではないでしょうか。
菅氏は安倍総理のワンポイントリリーフでは決して満足しないはずです。
間もなく鮮明に、その態度を表明するはずです。№2ーがトップになると…
安倍政権を長期に支えてきたという彼の自負心が発露の源でしょう。
しかし、アベノミクスは成功したと言えるのか。
コロナ対策の失敗で消し飛んでいないか。
企業の利益は増えても、国民の収入はふえていない。
利益の再配分をどうするのか?
労働者の生活は向上するのか…?
経済政策はこのままで良いのでしょうか。
従来の発想のままでは菅氏も、いずれ大失敗するのでは…?
コロナ対策の下、菅氏の経験と自負心は返って失敗の要因となるのでは?…と危惧しています。
コロナ対策が、このままで良い訳がありません。
たまたま先進国の中で、感染者数と死者数が欧米と比べて少ないという幸運に恵まれましたが…
その対応のお粗末さは東南アジア…特に、韓国・台湾と比較すると歴然としています。
この先、このままの幸運に支えられるなどという保証は何処にもありません。
経済の再生とコロナ対策は口で言うほど簡単ではありません。
コロナ感染拡大が収束していないにも関わらず、GoToキャンペーンを強行する業界擁護の菅氏の考えと立場は狂っています。
明らかにピントがずれています。
いずれ致命傷となることでしょう。
観光業界は大事な産業ではありますが、今は救済できる時期ではありません。
今はもっと保護すべき業界が存在するはずです。例えば、医療関係…!その他には?
従来の利権集団、お友達を優遇するばかりの政策では、もう無理でしょう。
また森、加計、桜を見る会、公務員の定年延長法案…等々忘れてはいけない数々の問題があります。
菅氏はこれらの問題を「再度、見直すことはない」と明言していますが…。
これで本当に国民は納得するのか。
支持され続けると勘違いしているとしか、言いようがないかと…。
お友達内閣と揶揄された内閣を…裏から支え続けた菅義偉の功罪!
「従来の政治手法を踏襲するだけでは解決できない問題ばかりだ」という事を…これからも「コロナ問題」は嫌というほど我々に教えてくれるのではないでしょうか。
それなのに、「安倍政権を踏襲する」…これだけでは、もう国難を乗り切れないでしょう。…これだけははっきりしています。忘れやすい、涙もろい、情緒的であっても国民は許されるでしょうが、マスコミが同じ感じ方ではダメでしょう。
安倍政権の政策を無批判のまま踏襲しても、菅氏の政策はいずれ行き詰まることでしょう。コロナ後の世界では従来の発想のままでは、もう無理なのです。
それが叩き上げ(高校卒業後、就職で上京し段ボール工場に住み込みで働いていた)で、新首相に上り詰めた菅義偉の限界なのです。調整役に長けているだけでは、この時代にはもう無理なのです。コロナに調整役は要りませんし、利きません。
やがて我々も思い知ることになります。本当のことなのか、はっきりしていないのですが、本当のことなら安倍氏が辞意を表明しただけで支持率をアップさせたという報いですね。
沖縄の声を全く聞かない強硬な姿勢。「慰安婦」問題をずっと否定し続けたあげく、被害者の頭ごしに取り交わした「日韓合意」。オリンピックを招致するために「(原発事故の放射能汚染水は)アンダーコントロール」と国際社会に向けて堂々とついたうそ。死者まで出した森友学園問題で説明責任を果たす姿勢も見せず、加計学園、桜を見る会の件もうやむやのまま。公文書は、情報開示請求をしても真っ黒で出てきたり、破棄されたりするのがフツーに見えてくる異常な状態。
こうした異常事態をスルーさせた功罪は極めて大きいと思います。いずれ大増税になって、我々に跳ね返ってきます。こうなってから気づいても、時すでに遅しなのですが…。
若い力を発掘しなかったツケ、女性の限りない伸びしろを無視し続けた罪、シニア層の再教育を怠ったツケ…、これらのツケを我々はきちんと払ってゆかねばなりません。安倍政権の踏襲というツケも。
従来の固定概念に囚われること、利権集団にかすめ取られること、コロナで焼け太り…特定企業の申請業務での中抜き、無責任官僚の天下り、派閥・密室政治の解消…どれをとっても将来性はありません。
この国はもう一度、とことんまで落ちなければダメなようです。もうこれ以上は、皆で死ぬしかないという所まで追い込まれて、初めて「再生」という力が湧いてくるのではないでしょうか。