10月12日、オーストリア・ウィーンにて、2016年リオ五輪王者で男子マラソンの世界記録保持者、エリウド・キプチョゲ(ケニア)がフルマラソン2時間切りを目的とした特設レースで1時間59分40秒2をマーク。ほぼ直線が占めるコースなど国際陸上競技連盟が公認するレースにはならなかったが、人類史上初めて2時間切りを達成。ペーサーの一人に日本人としては、ただ一人「村山紘太」選手が選抜され、キプチョゲ選手をサポートした。
Contents
村山 紘太(むらやま こうた)
1993年2月23日 生まれ(26歳)
宮城県出身の陸上競技選手。専門は長距離種目。
明成高等学校、城西大学卒業、旭化成陸上部所属。
同チームに所属する村山謙太は双子の兄である。
10000mの日本記録保持者。
身長:174㎝
体重:52㎏
自己ベスト
1500m : 3分39秒56(2014年)
5000m : 13分19秒62(2015年)
10000m : 27分29秒69(2015年)
20km : 58分26秒(2014年)
ハーフマラソン : 1時間02分00秒(2018年)
主な戦績
2012年第15回アジアジュニア陸上競技選手権大会では5000mに出場、14分33秒67のタイムで2位
2014年第98回日本陸上競技選手権大会では5000mに出場、13分43秒16で2位入賞。
2014年アジア競技大会では5000mに出場し、13分34秒57のタイムで5位入賞。
アジア大会出場直後に行われた第91回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会では留学生選手を破って、20.0㎞では日本人歴代1位となる58分26秒のタイムを出し、全体トップでゴールして城西大学の箱根駅伝出場権獲得に貢献。
2015年正月の東京箱根間往復大学駅伝競走では2区で出場、兄の謙太と同じ区間での対決となり、紘太は16位で襷を受けた後、8人抜きの快走を見せて1時間7分43秒で区間2位となった。(兄・謙太に勝利)
2016年1月、全日本実業団対抗駅伝競走大会で、外国人ランナーが多く集まる高速の2区を任され、区間賞も期待されていたが、結果は23分36秒で日本人トップながら区間24位となり、チームの順位も5つ下げてしまい(16位→21位)悔しいデビュー戦となった。
同年6月の第100回日本陸上競技選手権大会では10000mに出場し、大迫傑には敗れたものの2位でゴール。
2016年:リオデジャネイロオリンピックの5000m・10000m日本代表。
5000m 42位 14分26秒72 予選敗退
10000m 30位 29分02秒51
2018年第23回世界ハーフマラソンでは兄・謙太とともに出場したが、1時間06分49秒で108位に終わっている。
2018年第102回日本陸上競技選手権大会では5000mに出場し、14分37秒79で12位。
実力はそこそこにありながら、成績や記録は今一歩及ばず惜しい結果に終わっている。なぜかな?
キプチョゲによるフルマラソン2時間切りへの挑戦『イネオス1:59チャレンジ』が開催。
日本からは村山紘太(旭化成)が日本人で唯一ペーサー(ペースメーカー)として選抜。
夢の瞬間をアシストすべく、レースでは、41名のペースメーカーとぺースのリズムを地面に照射するレーザーなども用いながら、キプチョゲ選手の歴史的偉業達成への挑戦をサポート。41名のペーサーには五輪メダリストが3人も!41人が風切り役とペースメーカーに徹するなんて凄すぎる。
1km単位のラップは2分48~50秒を維持し続け、2時間突破を達成。どんな肺活量してるんだ!?
キプチョゲ選手は「人類には不可能」とも言われてきた2時間切りにこれまでも挑戦してきました。
会場は直線が多く勾配が少ないことなどからタイムが出やすいとされるオーストリアのウィーンに今回は設定され、キプチョゲ選手は朝の8時15分にスタート。
特別な環境のもとで行われたとはいえ、キプチョゲ選手は序盤から1キロ2分50秒前後という驚異的なペースで走り続けました。
今回はナイキ契約の10ヶ国41名のペーサーが選抜。
その中には五輪メダリスト3名、先日のドーハ世界選手権男子5000m銀メダリストのセレモン・バレガ(エチオピア)などが含まれている。
キプチョゲがついに2時間の壁を超え快挙まで残り数十メートル。ゴールの時計は1時間59分台。
記録達成を確信し、沿道のファンを指さした。
快挙の瞬間に観客は拍手喝采。“史上最速”で走り切った男は両手を広げてゴールした。
ゴール後は待ち受けていた人々と抱き合い、快挙を祝福。
続々と人が集まり、もみくちゃにされたという。
この時の動画を自身のツイッターに投稿。「ヒストリー!」とつづり、喜びを表現した。
コメント欄には快挙に驚くファンの声が殺到しているという。
レース後、キプチョゲは「私は2時間切りを初めて果たした世界一幸せな男だと思うし、人間には限界なんてないことを、みんなに言いたい」と喜びを表した。
キプチョゲが保持する公認の世界記録は2018年に樹立した2時間01分39秒。
2年前には今回と同様に2時間切りを目的とした特設レースに挑戦したが、そのときは2時間00分25秒と今一歩及ばなかった。
キプチョゲの2時間切り「通過タイムと5㎞ラップ」
5km 14:10
10km 28:20(14:10)
15km 42:34(14:14)
20km 56:47(14:13)
25km 1:10:59(14:12)
30km 1:25:11(14:12)
35km 1:39:23(14:12)
40km 1:53:36(14:13)
42km 1:59:40(06:04)
※ハーフは59:52
未公認ながら、世界記録を出すだけのために開催された今回の特設レース。キプチョゲ選手以外に競技者はいない。
いろいろな意見はあろうかと思いますが、素直に凄い!まさに超人!ここまで走れる選手は他にはいない。
これだけの条件を整えたとしても2時間を切る「歴史的な快挙」は誰れにも達成できまい。
やはり、この人しかあり得ない。凄い!おまけに人格者だ。文句のつけようがない。
来年の東京五輪では、どんな走りを見せるのだろうか?
日本独自の暑さと湿気を克服し、どんな記録を出すか今から楽しみだ。
しかし、34歳だというのに、まったく年齢を感じさせない。
ブラックパワー恐るべし。
これじゃ、並みの日本人が束になってかかっても敵わないだろう。
ペーサーになれただけでも光栄というべきものなのか?
追 伸
小池東京都知事だけが、まだIOCの決定(マラソン・競歩は札幌で開催)に不服のようだが、どこでやっても同じだろう。
この男がよほどの怪我や病気でもしない限り、金メダルを獲得するのは確実視されている。
札幌で2時間を切れば、まさに「神対応」だ。