凄まじい大規模爆発でした。小型の原子爆弾でも炸裂すれば、こんな光景になるのかと一瞬思ったぐらいの大爆発で、きのこ雲が…。時間が経過するにつれて、被害の規模が判明してきました。当初の発表では死者70人以上、在留邦人1人を含む負傷者4000人以上の被害との報告でしたが、とてもそんな数では済むまい。死者の数などは一桁違っているのでは?との考えが…。やはり、その後は死者110人以上、負傷者5000人以上と訂正されました。しかし、まだ、瓦礫の山の下には多くの人が埋まっているものとみられ、被害の規模はさらに拡大する模様です。もう少し、詳しく爆発の原因と首都ベイルートの現状を追ってみたいと思います。ゴーン被告の邸宅がどうなったのかも…。
中東の地図を掲げ、レバノンの位置を一応示しました。
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これはただ事ではないと思われたレバノンの首都ベイルートで発生した大規模爆発でしたが、1夜明け、レバノン政府は2週間の非常事態宣言を発令。かっては、「中東のパリ」とも称されたベイルートに一体何が起こっているのでしょうか。
ベイルート中心部に近い港湾地区の倉庫で発生した爆発の死者は、これまでに135人に達し、負傷者も5000人を超えたそうです。しかし、まだ瓦礫の下には多くの被害者が埋まっているはずですから、死者や負傷者の数はさらに増大するものと思われます。さらには、海にも相当数の人が吹き飛ばされた…?停泊していた船舶にも甚大な被害が…。国家的危機の再来!
港湾を歩いていた相当数の人が海に吹き飛ばされたものと推定されています。上の写真を見る限り、確かに尋常ではない凄まじい惨状と見て取れます。
ハッサン保健相によると、なお数十人が行方不明と発表していますが、その程度で済むものでしょうか。何しろ被害はベイルート全域に及んでいる模様ですから…まだ早々に断定はできません。
【大爆発の原因】
レバノン/首都ベイルートの大規模爆発で、地元メディアは5日、化学物質が保管された倉庫での溶接作業で引火し、大爆発につながった事故の可能性があると報じています。
爆弾の原料となる2750トンもの大量の硝酸アンモニウムが6年間にわたり安全対策が取られずに、倉庫に保管されており、それが爆発の原因となったものとみられています。何千トンもの爆弾の原料が首都に保管されているとは…!
アメリカではテロ防止策として、900キロ以上の保管を査察対象としているぐらいですから、…とても常識では考えられません。レバノンでは政治対立や社会混乱が深刻化しており、当局はテロや攻撃の可能性も捨てていないようですが…やはり事故の可能性の方が高いものと思われます。
【カイロ時事】すさまじい爆風の直後、窓ガラスの破片やがれきが路上に散乱し、街頭の至る所に流血した市民がたたずむ。 レバノンの首都ベイルートで4日起きた大爆発。現場近くの建物は骨組みだけを残して吹き飛び、まるで爆弾テロ後のようだった。「死ぬかと思った」。市民は恐怖におののいた。
ロイター通信では、他の市民の証言として「火の玉が見えて煙が押し寄せ、血を流した人々が叫びながら走っていた。建物のバルコニーも吹っ飛んだ」と、爆発と衝撃のすさまじさを物語る市民の証言を伝えています。15年に及んだ内戦やイスラエルとの戦争でも、ここまでの惨状には至らなかったかと…。
爆発時の映像では、「キノコ雲」のような巨大な煙が周囲を覆い、被害は首都のほぼ全域に及んだ模様。爆音は、地中海を挟んで約200キロ離れた島国キプロスでも聞こえたというぐらい凄まじいものだったそうです。
ここで気になるのは、日本から逃亡している日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(66)。自宅が被害を受けたと被告の妻キャロル容疑者(偽証容疑で逮捕状が出ている)がブラジル紙に語っている。ゴーン被告の自宅は、ベイルートの高級住宅街アシュラフィーヤ地区にあるが、爆発の現場から1~2キロ離れたところにある。日本よりも安全だと思って逃げ込んだ場所に、とんだ大災難が待ち構えていたというわけだ。
レバノン内閣は5日、首都ベイルートで前日発生した大規模爆発を受け、2週間の非常事態を宣言。ベイルート中心部に近い港湾地区の倉庫で発生した爆発の死者は、これまでに135人に達し、負傷者も5000人を超えています。
人々の怒りの矛先は、危険物を長年にわたって放置していた政治家に向けられているとか。中東レバノンの首都を襲った突然の爆発。長年、内戦に苦しんだ同国だが、キノコ雲が空に舞い上がりレバノン史上最悪の大爆発事故に!…。
長年にわたり危険物が放置されていたことが、爆発の原因とみられている。 5日現場を視察したアウン大統領によると、爆発性物質が6年間も、安全対策をとることなく港に保管されていた。それは爆弾の原料になる硝酸アンモニウム、実に2750トン。半年前の検査で「撤去しなければ ベイルート一帯を吹き飛ばす」恐れがあると指摘されていたと港湾関係者に近い人物はロイターに語った。
大勢の負傷者が救急搬送されたが、3つの病院が爆発で機能停止に追い込まれ、町の広範囲が被害を受けて、一部は瓦礫と化しています。何万人もの人々が一瞬にして住む場所を失い、人々には悲しみと不信感、そして怒りが交錯している状態だそうです。
窓ガラスの破片などによる切り傷も含め、数千人規模の負傷者が出たものの、レバノンでは新型コロナウイルス感染拡大の影響で、現在の医療が逼迫(ひっぱく)しているところへ、今度の大爆発で、さらにひっ迫が加速されました。
病床も不足し、インターネット交流サイト(SNS)には、負傷者の治療が追い付かず、病院で追い返される例もあると投稿されたぐらいです。現地の赤十字はツイッターで「全ての血液型で緊急に献血をお願いしたい」と要請。負傷者は市外の病院への搬送を試みているそうですが…。
4日、港の倉庫で火災が発生。火災の原因は不明だが、問題の倉庫へと延焼し、爆発したとみられる。レバノン政府は、2014年以降に保管と警備を担当していた港湾職員全員を自宅軟禁にする措置をとった。だが自宅軟禁の対象が、どの程度の上層部まで及ぶのか不明。港湾管理の責任者は、税関が政府に対して長年危険物の撤去を要請してきたが「何も変わらなかった」と証言した。
政府も、コロナ感染防止のため6日から予定していた都市封鎖の中止を余儀なくされ急遽、非常事態宣言の発令となりました。大規模爆発は、レバノンの債務問題が深刻化する中で起きました。政府の債務は国民総生産(GDP)比で170%に上り、今年3月にはデフォルト(債務不履行)を宣言。
レバノンの多くの国民は救いようがないほどの経済的困難に陥っているが、社会・経済問題は政府の腐敗と無能、ネポティズムによるものと国民には広く考えられている。レバノンでも新型コロナウイルスの感染が深刻で、政府の発表では感染者は5000人余り、死者は65人ぐらいだが、この数字を信じている国民は少ない。ウイルスを深刻に受け止める政府は再度のロックダウンの措置をとろうとしている。コロナウイルスも経済の悪化に拍車をかけ、レバノンでは若年層の失業率は60%以上とも見られ、50%のレバノン国民が十分な食事をとれていないと感じている。
国際通貨基金(IMF)から融資を受けるための協議は行き詰まり、閣僚の一人が今月になって抗議の辞任をするなど政権内も混乱しています。物価上昇で国民生活は圧迫され、世界銀行によるとすでに国民の45%が困窮生活を余儀なくされています。
【自力復旧困難か】
昨年10月以降、反政府デモも頻繁に起き、ミッシェル・アウン大統領は4日、復旧作業に向けて、100億ポンド(約70億円)を緊急に割り当てると宣言しましたが、ベイルート市当局によると、被害総額は30億ドル~50億ドル(約3200億円~5300億円)に上ると推計され、自力復旧は困難視されています。
アメリカや旧宗主国のフランスなどが相次いで支援を表明したほか、イスラエルも爆発への関与を否定し、人道援助を申し出る事態となっています。財政難とコロナそして、ベイルートでの大爆発事故!…とレバノンは第3の危機を迎えています。
日本はどうするのでしょうか。菅官房長官は情報収集に努めると言っていますが…邦人の安否確認だけ…。
中東の国ですから石油を輸入していますが、他の中東諸国と比べるとそれほど大きな額ではありませんから、日本への影響は軽微なものと思われます。
敵国イスラエルが人道上の支援を申し出ているぐらい酷い惨状のようです。しかし、日本だってコロナ禍です。ここで大地震でも来れば他国の援助どころではなくなるでしょう。日本政府には冷静な対応をお願いしたいところです。ところで安倍ちゃんは夏休み!?人道的支援ぐらいやれよ。
いくらゴーン被告が逃げ込んだ憎い国だと言っても…。それぐらいは人として…恥ずかしくない?