ヤマダ電機の業績が振るわないのはなぜか?その元凶は?

   

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ヤマダ低迷、ヨドバシと真逆の低利益率経営…都市部進出や住宅販売進出が失敗

ヤマダ電機が苦境にあえいでいる

家電量販店最大手のヤマダ電機が苦しんでいる。2018年3月期の連結決算は、売上高が0.7%増の1兆5738億円、経常利益が28.3%減の473億円だった。売上高は微増となったものの、ピークの11年3月期と比べて約5800億円も少ない。経常利益は大幅な減少となり、11年3月期の3分の1の水準だ。

他の量販店とどこが違うのか?

ヤマダ電機は苦戦したが、ほかの大手家電量販店は好調だった。大手各社の17年度の売上高は以下の通りだ。

・ヤマダ電機 1兆5738億円(前年比0.7%増)
・ビックカメラ 7906億円(同1.5%増)
・エディオン 6862億円(同1.8%増)
・ケーズホールディングス 6791億円(同3.2%増)

ヤマダ電機は売上高の規模こそ他社を圧倒しているものの、伸び率に関してはひとり負けしている状況といえる。

なお、上記にないヨドバシカメラは非上場企業で決算の詳細は非公開だが、売上高など一部の情報は開示しており、17年度は現在公開に至っていないが、16年度は6580億円だったと公表している。

17年度の売上高経常利益率という点においても、ヤマダ電機は冴えない。

・ケーズホールディングス 5.4%(経常利益366億円)
・ビックカメラ 3.1%(同243億円)
・ヤマダ電機 3.0%(同473億円)
・エディオン 2.4%(同161億円)

ヤマダ電機の経常利益率は、前の期から1.2ポイント低下した。また、最盛期の10年3月期から12年3月期までの3期が5%を超えていたことを考えると、現状の厳しさのほどがわかる。

なお、ヨドバシカメラの17年度の経常利益率は8%超(経常利益556億円)と他社を圧倒している。同社は09年度以降17年度まで、すべての年度で7〜8%台という高い経常利益率を叩き出している。

ヨドバシカメラは都市部やターミナル駅周辺の立地にこだわりを見せてきたが、都心回帰の動きや訪日客の増加といった時代の流れに合致し、高い利益率を叩き出すことに成功している。

また、1989年に大手小売業としては日本初となるポイントカードを導入したほか、業界のなかでいち早くインターネット販売サイトを展開したり、当日配達サービスを導入するなど、利便性の高いサービスを次々と打ち出していったことが支持され、高い利益率につながっている。

ヤマダ電機に話を戻すが、同社は郊外や地方を中心に売り場面積の広い大型店を他社に先駆けて積極的に出店したことが功を奏し、11年3月期までは右肩上がりで成長することができた。そして潤沢な資金を元にM&A(合併・買収)を積極的に仕掛け、規模を大きく拡大することに成功している。

ピークの11年3月期には、売上高が2兆1532億円に達したが、その後は低迷していった。エコポイント制度の打ち切りによる反動減やテレビの地デジ切り替え需要が落ち着いたこともあり、翌12年3月期の売上高は前年比14.8%減の1兆8354億円と大幅に落ち込んだ。

また、人口減少や都心回帰が進んだことにより特に地方経済が低迷し、郊外や地方を中心に成長してきたヤマダ電機はそのダメージをもろに受ける格好となり、売り上げの減少に歯止めがかからなくなった。

都心進出への失敗

そうしたなか、手薄だった都市部やターミナル駅周辺への出店を強めていくも、ノウハウが欠如していたほか、ヨドバシカメラやビックカメラといった先行企業が立ちはだかったことにより、期待したような売り上げの増加を実現することができなかった。さらに、都市部進出はコスト増を招き、利益を圧迫するようになっていった。

そこで、不採算店の閉鎖を進め、強引な値引きをやめるなど利益重視路線へ舵を切って収益性を高める施策を講じたが、複数の自殺者を出すほど従業員を酷使するといった過去のコスト削減策を上回るような手を打ち出せていないこともあり、現状は目立った成果を出せずコスト高が続いている。

特に、売上高の6割を占める家電販売事業の苦戦が鮮明となっている。18年3月期の売上高は前年比2.8%減の1兆1109億円、売上総利益は8.8%減の2729億円だった。

家電小売市場は縮小傾向にある。調査会社のGfKジャパンによると、17年の家電小売市場は前年比1%増の7兆700億円とわずかに増加したものの、それまでは減少傾向が続いていた。市場縮小や競争の激化により、ヤマダ電機の家電販売事業は厳しい状況に置かれている。

住宅部門の低迷:元凶か?

家電販売以外で苦戦している事業があるのも頭痛の種だ。11年に子会社化した住宅メーカー、ヤマダ・エスバイエルホーム(旧エス・バイ・エル)がそうだ。18年2月期決算は、営業損益が9.6億円の赤字(前期は6000万円の赤字)だった。また、住宅展示場の減損損失を計上したことなどから純損益が27.5億円の赤字(前期は2.9億円の赤字)に膨らんでいる。

エスバイエルの業績は低迷を続けている。ヤマダ電機の傘下に入った翌期の12年2月期以降、純損益で黒字を計上できたのはたった2期のみ。住宅と家電を丸ごと販売することを狙ってのエスバイエルの買収だったが、目論見通りに事が進んでいないのが実状だ。低価格路線に変更したことと、住宅に関するノウハウが足りていないことが低迷の主因だろう。

主力の家電だけでなく、新たに手がけた事業についても苦悩が続くヤマダ電機。従来とは異なる分野に手を出しているため、その分野におけるノウハウの蓄積が必要といえるだろう。
(文=佐藤昌司/店舗経営コンサルタント)

人事の刷新だけで業績が回復できるのか?

ヤマダ電機グループ
資本金 連結710億円(2017年3月) 従業員数 19238人 店舗数 12075店舗

上記の様に売上高、従業員数、店舗数こそ他社を凌いでいるが、問題はその内容だ。
家電量販自体が頭打ちの状態にありながら、都心への無理な進出、ノウハウの欠如などで利益率の伸び率は全く振るわない。

取り分け、住宅事業にも進出したことが決定的に事業内容を圧迫している。
家電量販事業と住宅産業事業は全く非なるものである。

以前、トヨタ自動車がミサワホームと資本提携しながら、散々の結果に終わった。
自動車事業と住宅事業とは簡単に両立できるものではない。

自動車が好きで入社した人間が住宅部門に回されれば、当の本人は左遷させられたぐらいにしか感じない。

トヨタは低炭素社会の実現、少子高齢化に対応すると理念を掲げているが、トヨタホーム自体の業績は依然振るわない。

都心に進出した店舗は住宅関連の施設をどこに設けているのだろう?
店舗に行った時も全然見当たらなかった。
積極的に捜す気がなかったし、住宅への需要がなかったせいでもあるのだが・・・

人事を一新したぐらいで短期に業績の回復は見込めない。
ヤマダ電機が将来を見据えて住宅事業への転換が必須の事であるなら、全従業員にその事を徹底させなければならない。

社長が1万人を超える全従業員と対話をするのは物理的に無理な話だ!
だが、その理念、理想を全従業員に徹底させられなければ業績回復は到底覚束ない。

その理念、理想を伝える手段を真剣に講じているのであろうか?
家電量販員が顧客を住宅事業にまで導けるような実力を備えることが求められることだって起きるであろう。
その努力をヤマダ電機はしようとしているのか?

マクドナルドがリンガーハットの役員を迎え入れて業績の回復を図ろうとした事があった。
しかし、成果を出せないまま退職していってしまった。

ヤマダ電機が、その二の舞を踏むという懸念が全くない訳ではない。
むしろ、その可能背が高いと見ざるを得ない。

リフォーム部門に強い人だということだが、受注をしてそれを施工出来ないなどということは初歩的なミスである。

こんな失敗を繰り返していては業績回復は望めない。
家電の売り上げが6割を超えている状態で、住宅事業で短期に業績回復を図るのは無理な計画である。
もっと足を地に付けた経営を考えていくべきであると思える。

全従業員への教育が不可欠である。
これは一朝一夕でできる事ではない。
少子高齢化社会を見据えた事業展開であると胸を張って言えるまでには、もっともっとやらねばならない項目があると思う。

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