香港でなぜ100万人のデモが?逃亡犯条例・雨傘運動・一国二制度とは?

   

刑事事件の容疑者を香港から中国本土に引き渡すことを可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対するため、香港の民主派団体「民間人権陣線」は13日、改めて大規模なデモ行進を16日に香港中心部で行うと発表。一方、香港政府は負傷者が80人に達したことを明らかに。16日のデモでは、一体、どの位の規模のデモになるのか?今のところ予測がつかない。

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香港でなぜ100万人のデモが?

香港で6月9日、中国本土への容疑者引き渡し要件を緩和する条例改正に抗議するデモが行われた。主催者発表によると参加者は100万人を超え、1997年の中国返還以降で最大規模だった可能性だとか。なぜこれほどの大きなうねりとなり得たのか?

香港島の大通りを埋めたデモ隊は、正義の象徴として白い服をまとい、「中国への引き渡し反対!」、香港行政長官の「林鄭月娥(キャリー・ラム)は辞任しろ」と大声でシュプレヒコールを上げながら改正案を審議する立法会(議会)までの約3キロを行進。一部の参加者が警察と衝突し19人が拘束されたという。

香港政府が条例改正に乗り出したのは昨年の2018年、香港人の男が台湾で殺人事件を起こした後、香港に逃げ帰り台湾当局の訴追を免れたことがきっかけ。男を台湾に引き渡せるようにするため政府が今年2月に発表した改正案は、成立すれば中国本土への引き渡しも可能になる内容だった。

 

民主派団体が呼びかけた9日のデモは、1997年に香港が英国から中国に返還されて以来、03年の国家安全条例案に反対するデモ(50万人超)などを上回る記録的な規模になった。

12日には、香港政府や立法会(議会)付近に条例改正に反対する若者ら数万人以上が集結。幹線道路の一部を占拠。こうした事態を受け、立法会(議会)は14日の審議再開も見送った。

 

立法会は先に、20日にも採決すると発表したが、反対デモの勢いに押され、予定通りの審議は困難な情勢。一方、民主派団体「民間人権陣線」は、16日の日曜日に再びデモを実施すると発表。

立法会の梁君彦議長は11日、残りの審議時間を66時間に設定した。日程を考慮すると、最短7日間で審議は終わるとされるが、デモによる混乱ですでに遅れが出ている。

 

主催者発表で103万人を動員した9日のデモの翌10日、香港政府トップの林鄭月娥行政長官は、改正案の審議を継続する考えを表明。これに対し、民主派は立法会(議会)を包囲する形でのデモを示唆し、政府への圧力を強めている。

 

デモ参加者が100万人を超えるということは、香港の住民、推定750万人のうち約7人に1人が参加した計算になる。凄まじい数字だ!日本では到底考えられない人数だ。どこに、香港の人々はこんなエネルギーを秘めていたのか?

逃亡犯条例とは?

逃亡犯の引き渡し条例改正案は、香港の国際金融センターとしての地位維持に寄与してきた「一国二制度」の枠組みを脅かすとして、欧米政府や国際企業団体からも批判されている。

 

分かり易く言えば、中国は社会主義』。香港は『民主主義』。
香港特別行政区基本法というものがあり、香港ではこれが適用され人権や自由、民主主義が守られている

 

つまり、中国の中に中国の制度と香港の制度があり、これが一国二制度である。
しかし、香港の選挙には民衆のほとんどが参加出来ず、『これが、本当に民主主義なの?』という状態。

 

これを変えたくて、2014年に反政治デモ『雨傘運動』が起きた。
そして、今、香港で起きているデモは、逃亡犯条例の改正案に対するデモ

 

今の逃亡犯条例は、香港以外の国などで犯罪を犯した容疑者が香港に逃げて来た時、引き渡し協定を結んだ国や地域からの要請があれば容疑者を引き渡しをしますよという条例』!

 

今度の改正案は、香港特別行政府が提案したもので、『容疑者の身柄の引き渡しを簡略化しよう!そして現在、香港が身柄の引き渡し協定を結んでいるのは20カ国だけどもっと広めよう!』という案。つまり『もっと簡単に引き渡しもするし、協定を結ぶ所を増やします』って案!

 

この案が出たのは、去年台湾で恋人を殺した人が香港に逃げて裁けない状態だったのでこれを潰すためである。香港は台湾と引き渡し協定を締結していないので、香港でも台湾でも犯人を殺人罪の裁判にかけられない。

 

『容疑者が引き渡し協定がない国や地域から香港に来ても裁判できないし裁けないから香港が犯罪者の隠れ家になってしまう! 』と改正案が出された訳である。

 

しかし、今度の改正案をなんで香港の人が反対しているのかと言えば、それは協定の国に中国が含まれているからである。この案が通ったら、香港の人が簡単に中国に送られて中国の法で裁かれる状態が出来上がってしまい、更に香港での民衆の自由と人権がなくなってしまう!』と香港の人達は警戒しているのだ。

 

中国の司法制度の下では、簡単に警察に拘束され拷問されることもあるし、罪を吹っかけて捕まえられることもある。罪刑法定主義など絵に描いた餅、罪刑専断主義!』なのだ。言わば恐怖の独裁国家!北朝鮮ほどではないにしろ、天安門事件が抹殺されたように言論の自由などまったく存在しない。日本や香港の司法制度などとは根本的に違うのだ。

 

恐怖の共産党一党独裁体制が敷かれ、民主主義を主張する人々への人権弾圧が年々酷くなっている。習近平政権の下、独裁体制が今強化されつつある。つまり香港で暮らしている一般人が中国の司法で裁かれてしまったり、人権が犯される可能性が大なのである!

 

だから香港の人達は、中国本土・共産党一党独裁支配体制への反対の意味を込めて、こんな大規模なデモ起こしている。香港に来ている人『旅行、留学、空港での乗り継ぎ』も対象に入っているのだから他人事では済まない

 

日本人だって要注意なのだ。
ここを忘れては100万人を超える規模のデモの意義を語れない。

 

しかも、重要なことだが事の発端の容疑者の事を、台湾政府は『引き渡し要請しないよ』と明言している。結局、今度の改正案は中国による香港の支配が進むだけみたいなのだ。

 

中国では、社会に混乱を起こした罪の『政権転覆扇動罪』は有名な罪状で簡単に捕まることがあるようである。香港に住んでいる人、来ている人が香港の法律で裁かれなくなってしまう事、香港に中国の法律が入って来てしまい、自由と人権がなくなる事に反対したデモなのである。

 

改正案が通ったばあいの危険性

我々は引き続き『逃亡犯条例』を批判し拒絶し続けるが、万が一可決してしまった場合は香港の人権と司法はひたすらに下がってしまう!

 

最悪の海外からの香港のビザ免除待遇だってなくなることも考えられるという。

『国家安全危害罪』『国家転覆罪』に違反すると言って、人々を中国に引き渡すことが可

能になってしまうと香港での無数の民主活動家や中国社会評論家などの意見者を、簡単に罪に問わせることができてしまう。

 香港人の言論の自由は必ず制限されてしまう。多くの日本人は関係無いかもしれないが、本当に中国は恐ろしいと語る人が多い。

  • 国家安全危害罪~国家の安全に危害を与える罪のこと
  • 国家転覆罪~国家政権転覆罪と似ているが中国ではとても重い罪
    深く関与していると終身刑もありうる、政権転覆罪は最高15年

雨傘運動とは?

香港で2014年9月28日から79日間続いた民主化要求デモ。

2017年の香港行政長官選挙をめぐって、中国中央政府が民主派の立候補者を実質的に排除する選挙方法を決定したことに抗議する数万人の学生・市民が銅鑼湾(コーズウェイベイ)・金鐘(アドミラルティ)・旺角(モンコック)などの繁華街を占拠。

 

名称は、催涙弾や催涙スプレーで排除しようとする警察に、デモ参加者が雨傘をさして対抗したことから、雨傘革命。イギリスのメディアが『雨傘運動』と呼び、広まった呼び名で香港反政府デモをいう。このデモは、選挙の民主化を訴えたもの。

 

香港特別行政区基本法は、自由や人権、民主主義などの価値観を保証するもの。
日本と似ているが決定的に違うのが選挙制度香港の選挙制度は日本のものとまったく違う。

 

政治のトップの『行政長官』を決める選挙などは市民の参加が厳しく制限されていて、2007年の選挙までは800人で作られた選挙委員会で行政長官を決めていたという。つまり、香港の人口の700万人その内800人しか選挙に参加できないというのだ。こんなバカな話はあるまい。民主主義とは真逆の話だ。

 

ちなみにこの選挙委員会に参加している人は特権階級と言われる人が多く、親中派が多いとも言われている。民主主義を保証しているはずなのに、民衆の多くが政治に参加できないのはおかしい。香港に住む人達の民意を反映させたい。その意思が2014年に選挙の民主化を求め反政府デモ『雨傘運動』を起こすきっかけとなった。しかし、運動自体は失敗に終わってしまった。

一国二制度とは?

デモに関して深く関わっているのが『一国二制度「これは1つの国の中に2つの制度があるよ!」ということ。

 

香港は1997年に中国に返される22年前まで、イギリスの植民地だった。
イギリスが香港を返却した際に中国と50年間は行政や立法、司法の独自性を保つと合意し、この合意によって、香港には港特別行政区基本法が生まれた。

 

香港特別行政区基本法は、人権や自由、民主主義を保証するもので、これによって社会主義の中国の中に民主主義の香港がいる状態になっている。

 

中国の中に中国の制度と香港の制度がある状態それが『一国二制度』
しかし逃亡犯条例が改正されると、香港の民主主義の中に社会主義が入り込んできて、自由や人権がなくなってしまう。香港特別行政区基本法の意味なくなってしまうので、今回の様な大規模な反対運動・100万人以上のデモが起きている訳だ。

 

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まとめ

 ここ一週間続いているデモには、2014年の民主化デモ「雨傘運動」の影がつきまとっていると言われている。雨傘運動では、行政長官の選挙導入を求めて、何千人もの人々が79日間にわたって香港中心部で野営した。

 

14年のデモ参加者が求めた改革は実現せず、デモ提唱者の一部はその後、反政府的な活動家に対する中国政府を後ろ盾とする締め付けで禁錮刑に処せられた。一方、この時の経験から、将来のデモ提唱者らは広報活動の危険性も含め、より高度な戦術を学び取ることとなった。

 

今回、6月12日のデモを呼び掛けたビラの作者は不明だ。「民間人権陣線」など著名な活動団体がストライキを広く呼び掛けてはいたものの、デモ参加者の多くは用具の提供者が誰か分からないと言い、どの組織もまとまりがないように見えたという。

 

参加者のほとんどは、政府の監視から顔を隠す目的もあってマスクをつけていた。警察はさまざまな容疑で11人を逮捕したと発表したが、デモ参加者はフェイスブックの投稿や、チャットアプリ「ワッツアップ」あるいは「テレグラム」のチャットグループでデモとその支援方法に関する情報を得たと述べている。

 

だが、チャットグループには明確なリーダーは見当たらない。
デモの進行中、テレグラムは大規模なサービス妨害攻撃を受けた。同社のパベル・デュロフ氏によると、攻撃元のIPアドレスは中国だったという。

 

日本も、日本人も今の香港のデモに無関心でいて良い訳がない。
アメリカの言いなりになっているのも困りものだが・・・
中国の一党独裁支配体制を容認していては、国家としての存在が泣こうかというものだ。

 

日本政府を突き動かし、香港の民主化運動を支えて上げるべきだ。
声を出し、叫ばなければいけない。
このまま、見過ごしたのでは民主主義の危機だ。
何とか香港の若者たちの力になれないものか?

周庭(アグネス・チョウ)のツイッター:香港の『民主の女神』現役大学生の訴え

中国共産党の一党独裁支配体制が、このまま続けば必ず日本の脅威となる。
いや、もうとっくになっているか!しかし、のさばらしておいてはいけない。
とにかく、香港のデモは単なる「犯罪者の引き渡し条例案改正反対」のレベルに留まる問題ではないのだ。

 

無関心でいるのが一番良くない。
香港の民主主義の存亡が問われている危機問題なのだ。
16日のデモには、また100万人以上の参加者が出ることだろう。
立法会が、改正案を諦めてくれれば良いがと・・・願わずにいられない。

 

せめて、上海と香港ぐらいは中國の支配力が及ばない国であってほしい。
微力でも力になれないものか!?
中國共産党の一党独裁支配体制は、周辺諸国にとって見過ごすことの出来ない脅威だ。
許しがたい蛮行に及んでいる。

 - 政治