伊藤忠がTOB継続を表明!デサントの反対表明を受けても変化なし

   

 

スポーツ用品大手のデサントは7日、取締役会を開き、筆頭株主の伊藤忠商事による株式の公開買い付け(TOB)への反対を決めた。デサントは「TOBは強圧的手法。成立すれば伊藤忠の利益を優先した経営が行われ、デサントの企業価値が毀損する」と伊藤忠を批判。国内の大手企業間同士では異例の敵対的TOBに発展した。

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伊藤忠が敵対的TOB継続を表明

 

伊藤忠商事は8日、デサントに対する株式の公開買い付け(TOB)にデサントが反対表明をしたことについて、「本公開買い付けを継続する方針に変わりありません」とのコメントを発表した。

 

伊藤忠は1月31日に、TOBでデサント株の保有比率を現在約30%から最大40%に引き上げる方針を表明した。

 

デサントは7日の臨時取締役会で反対を決議し、「当社の企業価値を毀損し株主共同の利益を侵害する」として、株主にも買い付けに応募しない様要望した。

 

しかし、TOBが成立すれば伊藤忠は株主総会で決議事項への「拒否権」をにぎることになる。

大阪市内のデサント本社

 


デサントは取締役会で反対決議~しかし、対抗策に乏しい

 

「伊藤忠は大株主であり密接な協力関係にある。今回のTOBは残念だ」と辻本常務執行役員は困惑した表情で語った。

 

さらに、「お互いのボタンの掛け違いもある。(対立が長期化すればお互いの)ブランド毀損にもつながるので、出来るだけ早く話合の場に付くことが重要」と伊藤忠に対話も呼び掛けた。

 

これまでデサントと伊藤忠は長年蜜月関係にあった。デサントが1984年に経営危機に陥った際には、伊藤忠が支援。デサントの社長を伊藤忠出身者が務めた時代もあった。

 

しかし、2013年に創業家出身の石本雅敏氏が社長に就任すると、独立路線を志向し徐々に両社間に溝が生じて行く。

 

デサントは昨夏、伊藤忠に相談なく、下着大手のワコールホールディングスと業務提携を結んだ。さらに、昨秋、デサントが自社買収(MBO)を検討していることを伊藤忠に伝えたことで、両社の対立が決定的となった。

 

 

業を煮やした伊藤忠は事前通告なしのTOBという強硬手段に踏み切った。買い付け価格は直近の株価より5割も上乗せした価格を設定し、デサントの外堀を埋めて行く。

 

デサントが対抗するには、ホワイトナイト(白馬の騎士)を見つけて、対抗TOBを実施してもらうか、伊藤忠より高い価格で株式を買い取る方法しかない。

 

しかし、スポンサー探しも資金調達も難しいとみられ、デサント側にはTOBを阻止する有効な対抗策がなく、かなり分が悪い。

 

伊藤忠側はTOBについて「独立性を維持しながら、デサントが伸びて行く方法を一緒に考えたい」としており、話し合いの余地を残す余裕を見せている。

 

しかし、経営方針を巡る意見の隔たりは大きく、妥協点を見出すことは容易ではない気配である。対立は決定的であろう。

 

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敵対的TOBの成功例は少ない・・・しかし、今回は成功するはず

 

国内で敵対的TOBが成功した事例は少ない。

 

1985年以降、国内で敵対的TOBで経営の支配権を握ったのは、独製薬大手ベーリンガーインゲルハイムがエスエス製薬の筆頭株主になった事例(2000年)など数件のみ。

 

05年にライブドアがニッポン放送に仕掛けたことで注目を集めたが、その後も王子製紙が同業の北越製紙に仕掛けたTOBが失敗に終わるなど成功事例は少ない。

 

 

日本企業は有力な取引先や従業員、金融機関の株式保有率が高く、容易に成立の水準に届きにくいらしい。

 

買収する側にとって、成功すれば速やかに経営方針を反映できるメリットがある。今回、伊藤忠の買い付け価格を見る限り本気度が高い。

 

デサントの反対表明に関わらずTOBが成立するのではないか?大株主を無視して独立路線は踏襲出来まい。

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