となりのトトロが中国で初公開!30年を経て異例のヒット理由は?

   

 

 12月14日、『となりのトトロ』中国で初公開され、3日で興行収入1300万ドル(約15億円)を突破したと、大手エンターテインメントメディアの「Variety」が報じている。1988年の『となりのトトロ』日本初公開から、30年の時を経ての中国での劇場公開となる。

 

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30年を経て異例のヒット理由?

 

『となりのトトロ』は、スタジオジブリが制作し、宮崎駿さんが監督をつとめた長編アニメーション映画。

 

ジブリ作品が中国で公開されるのは今回が初めてとなるが、多くの中国人が、海賊版や違法アップロードサイトで『トトロ』を子どもの頃にすでに視聴しているはずで、目新しさはないはずだ。

 

しかし、中国のネットユーザーからは感謝・感激の声が多く寄せられているという。やはり、ジブリ作品が初めて上映を許可され海賊版ではなく、て堂々と劇場で観たいという願望の現れなのか?

 

『君の名は』『ドラえもん』などの興行収入には及ばないが、なぜ今になってジブリ作品が許可になったのかが、今一つ分からないのだ。差別されて来た理由がはっきりしない。同じアニメ作品なのに・・・

英国メディア・BBCの日本版は、本作が中国でカルト的な人気を誇る作品にも関わらずこれまで上映されなかった理由として、外国映画の上映本数に厳しい制限(年間34本)をかけていることを挙げているが・・・

ただ本数だけの問題だったのか?

 

 

また、公開された中国版ポスタービジュアルが日本で話題になっている。風の音まで聞こえそうな草むらの中、主人公姉妹が歩く姿を上空から捉えた構図である。草むらは「トトロ」のお腹にも見え、ノスタルジックで温かいムードのデザインが話題となっている。デザインを手掛けた黄海(ホアン・ハイ)氏の画期的な過去作品を新浪が紹介している。

実に良質な作品である。本家本元のかってのポスターより良い位の出来栄えである。

 

中国の映画産業は規模が半端でない

 

中国の映画市場は国営『新華社』によると2012年に、すでに日本を追い抜き世界2位となり、2015年の興行収入は日本の約4倍となる400.5億元(約6760億円)に達し、昨年比48.4%増と映画市場が急拡大している(ちなみに、アメリカの2014年の興行収入は104億ドル(約1兆2200億円)となっている)。

 

昨年、中国で興行収入トップ10入りした映画を見ると国産映画6本、外国映画4本だが、総興行収入の6割を外国映画が占める。

 

しかも、中国は年間に上映許可する外国映画を34本に制限している。(2012年迄は20本)
そう考えると、中国では外国映画のほうが国産よりもヒットしていることが分かる。中国では国内映画の7割が未公開、質の向上が課題となっている。

 

中国での外国映画の歴史は浅く1992年に年間10本で解禁された。映画大国であるアメリカは、中国市場の将来性に早くから目をつけており、上映本数拡大を中国へ求めてきた。

 

2009年にアメリカは中国をWTO(世界貿易機関)へ訴え、年間34本上映許可で米中合意で今に至る。その影響もあり、現在、中国で放映される外国映画の9割はアメリカ映画となっている。残りの1割の枠をヨーロッパや韓国映画が取り合っている状況らしい。

 

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中国で世界的ヒット作品が受ける訳ではない

 

世界的ヒット作品が中国でもヒットを飛ばすかというと必ずしもそういうわけではない。
なぜなら、中国では当然のことながら中国政府が上映許可の決定権をもっている。

そのため、政治的な理由でカットや修正を加えたりで世界的な大ヒット映画でも中国では上映されないことは珍しいことではないのである。

 

 上映許可されるアメリカ映画の多くはヒーローやアクション映画であり、政治や社会問題を扱う映画は少ない。

 
中国にとって映画は、大ヒット映画をバンバン上映して興行収入を稼ぐことよりも国内映画を保護することや反政府的な疑念を抱かせないための思想統制に重きを置くなど各種メディアやインターネットへの規制と同じなのだ。

 

いくら日本がいい映画を制作しても今回のように中国で上映されるかは未知数なのだ。事実、中国では数年前から日本の映画やアニメ、ドラマなどを地上波で流すことを禁止されテレビから完全に姿を消している。中国は、いわば映画も内政の一部という実に特異な国なのだ。

 

それでも、庶民の娯楽として映画市場は広がりを見せている。いつまでも、この流れを食い止める事は中国政府としても出来まい。

 

 なぜなら、中国も映画を成長産業であると同時に、中国文化を世界へ発信する手段と位置づけており、中国の影響力を拡大させるために活用しようとしているのである。

 

現在、1人あたりの年間映画観賞回数は北米4回、中国1.7回となっており、中国映画市場はまだまだ拡大する伸びしろを感じさせる。

 

今、中国の映画業界では、中国資本100%のハリウッド映画誕生を心待ちにしており、それも時間の問題と言われている。

 

日本アニメの中国でのヒットは、11月に公開された『名探偵コナン ゼロの執行人』が記憶に新しい。
公開最初の週末で興行収入8000万元(約18億円)を突破。累計興行収入は1億2000万元(約20億円)を超えた。

 

今年6月に中国で公開された『ドラえもん のび太の宝島』は、累計興行収入は2億元(約33億円)を記録している。

また2016年に公開され、中国で上映された邦画アニメの初日記録を更新した『君の名は。』は、公開後最初の週末では2億8000万元(約47億円)を記録している。

 

これら新作日本アニメ作品が記録した興行収入には劣るが、そもそも30年前に公開され、かつすでに多くの人に視聴されている『トトロ』がこれだけの数字を叩きだしているのは、誠に興味深い出来事と言える。

やはり、今一つ分からない。

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