日産ゴーン会長が金融商品取引法違反容疑で逮捕、西川社長の記者会見

   

 

 実際より少ない報酬額を有価証券報告書に記載したとして、東京地検特捜部は19日夜、日産自動車(本社・横浜市)のカルロス・ゴーン会長(64)とグレッグ・ケリー代表取締役(62)を金融商品取引法違反容疑で逮捕し、日産本社を捜索した。特捜部は2人の認否を明らかにしていない。

 

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金融商品取引法違反:虚偽有価証券報告書提出の疑いで逮捕

 

逮捕容疑は2人は共謀し、2015年6月までの5年間に5回にわたって、関東財務局に対し、11年3月期~15年3月期の各連結会計年度のゴーン氏の報酬額が計約99億9800万円だったのに、計約49億8700万円と記載した虚偽の有価証券報告書を提出したとしている。

 

同社は19日夜、ゴーン氏らが長年、ゴーン氏の報酬を実際より少なく有価証券報告書に記載していたと発表。2人の代表取締役の解任を取締役会に提案するとしている。

ゴーン氏はブラジル生まれ。1996年にルノー社に入り、99年に日産の最高執行責任者(COO)に就任。00年6月に同社社長に就任し、08年から会長も兼任。17年4月に同社会長に就いた。

 

経営破綻寸前だった日産自動車をV字回復させた「日産リバイバルプラン」で中心的役割を果たした。しかし、09年2月、世界的な金融危機を受けたリストラ策として、同社の野球部、陸上競技部、卓球部の休部を発表するなど、徹底した「リストカッター」とも評された。

 

 

西川広人社長の記者会見:午後10時過ぎ

 

横浜市西区、本社で同社長は以下の様に記者会見に臨んだ。

会見の冒頭、「(ゴーン会長)本人の主導によって重大な不正行為があった」と謝罪した。20年近くにわたり経営中枢に君臨したカリスマ経営者について「あまりにも一人に権限が集中したのが問題だった」と反省の弁を口にした。

 

カリスマとも評された経営者は、社員に徹底した合理化を求める裏で私腹を肥やしていたのか?
西川氏は「強い憤りと落胆を覚える」と苦渋の表情でトップの不正を批判した。

 

西川氏は内部通報をもとに日産の監査役が問題を提起し、社内調査を進める一方で検察当局にも報告したことを明らかにし、社内調査と「並行して捜査が進んできた」と述べた。

そのうえで、(1)ゴーン会長が実際よりも少ない役員報酬を有価証券報告書に記載していた(2)目的を偽って私的に日産の投資資金を流用していた(3)不正目的で日産の経費を支出していた――の3点を「重大な不正行為」に挙げた。

 

グレッグ・ケリー代表取締役が不正に深く関与していることも分かったという。不正の期間は「長きにわたっていた」と述べたが、その詳細については「捜査中」を理由に明らかにしなかった。

 

ガバナンスの観点から課題

 

緊密に連携をして、そして混乱を収拾して、(ルノー、日産、三菱)各社の事業運営、アライアンス(同盟、提携)の活動に影響が出ないように努力をする。この姿勢が大事だと思っている。

 

そして、まだ少し早いが、将来に向けては極端に特定の個人に依存した形から抜け出して、より維持可能な形を目指すという意味では、パートナーの皆さんと相談をしていかなければならないが、良い見直しの機会になるのではないかという認識を持っていて、その方向でルノーの取締役会の皆さん、三菱の益子(修)CEOとのコミュニケーションも既に始めている。

 

ガバナンスの観点では、やはり課題が多いと思っている。特に大きな構造として、43%の株を持っているルノーのトップが日産のトップを兼任するということは、やはりあまりにも1人に権限が集中しすぎることが問題だと指摘する。

 

これだけが原因ではなく、一つの誘因だと思うので、先ほどの委員会でもそこも掘り下げていただければと考えている。

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従業員の努力や結晶を無にしないこと

 

最後に1点。本事案で判明したゴーン会長主導の不正は、長年にわたる統治の負の側面と言わざるを得ない。一方、この19年間、日産で積み上げてきたことの中には、将来に向けた素晴らしいことがたくさんあり、多くの従業員が努力して積み上げてきたものだ。その努力や結晶を無にはできず、守るべきものは守り、育てていきたい。

ゴーン統治の負の資産として清算、修正すべきは、1人の個人に権限が集中しすぎた点だ。企業統治の問題として取締役会で議論し、時間をかけずに明確な手を打ちたい。

 

株主総会での批判

 

ゴーン会長は経営手腕を高く評価される一方で、株主総会では「報酬が高すぎる」「お手盛り」との批判を受けていた。しかし、「欧州と比べて高くない水準」と反論してきた。

 

だが、実態は年平均約10億円もの会社の金を流用していたとみられ、信用回復には動機の解明などが不可欠だ。

 

また、ゴーン会長は世界4ヶ国に理由なく会社から住宅の提供を受けるなど、私的流用は底が知れない。地検特捜部の捜査が進むに連れて、同会社に対する背任罪業務上横領罪が立件される可能性が大となって来るだろう。

 

 

強力なリーダーシップでグループを率いて来たゴーン会長の突然の逮捕!絶対的なトップを欠き、仏ルノーや三菱自動車との提携関係に負の影響が及ぶのは避けられない。

 

世界2位連合に激震が走り、日産の株価にもすぐ影響が現れ、一時8%以上も株価が下落した。提携戦略を主導したゴーン会長。それだけに逮捕が3社連合にもたらす影響は甚大だ。

 

だが、同時にグループが肥大化する中、ゴーン会長という特定な個人に依頼した強力なカリスマ体制に頼らない体制を作れるかどうかで、良い見直しの機会が訪れたのではないか、と西川社長は述べている。

 

19年!長すぎた君臨、負の遺産、日産の真価が問われる。

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